駿河 持舟城(静岡市)

今川氏時代には駿府防衛の支城、武田氏時代には武田水軍拠点の城

別名

用宗城

所在地

静岡県静岡市駿河区用宗城山町
JR用宗駅の北西にある小高い丘が城址。駐車場は、JR用宗駅の線路の反対側(北西)にある大雲寺の駐車場を借りた。

形状

平山城(標高約70m、比高約65m)

現状・遺構

現状:山林、畑地
遺構:曲輪、空堀、土塁、井戸、石碑

満足度(10点満点)

4点

訪城日

2007/04/14

歴史等

持舟城は、今川氏の時代には、駿府館を守る支城の一つとして、丸子城・ 愛宕山城(茶臼山城)と共に重視されていた。用宗郷に所領を持っていた今川氏の重臣の一人、一宮元実というものがいるが、 持舟城の城主だったという所伝はない。
後、武田氏の支城となり、武田水軍の拠点の城として位置づけられ、水軍の将・向井伊賀守正重が守っていた。
天正7年(1579)9月、徳川家康が攻撃し守将の三浦義鏡、向井伊賀守ら30余名の将兵が討ち死にした。翌天正8年(1580)、 武田勝頼が奪い返し、朝比奈氏秀(朝比奈信置)が守っていた。しかし天正10年(1582)徳川軍は再びこれを攻撃し、 守将氏秀は守りきれず降伏し(信置は庵原山城へ退却し)、以後、持舟城は廃城となった。
向井一族は、伊勢国尾鷲の豪族で、水軍の指導者として今川氏に迎えられた。ここが武田氏が領有するようになっても、 向井一族は武田水軍の指導者として港を新しく開いた。この時から「持舟」の名が生まれ、駅名になった。
尚、用宗駅構内は、往時、軍船の船溜りのあった所とされる。
『「静岡県古城めぐり(静岡新聞社刊)」、「サイト・静岡見て歩き・持舟城跡・http://www.asahi-net.or.jp/~KW2Y-UESG/frame_motibunejyou.htm」 より』

現況・登城記・感想等

持舟城へは、山麓にある浅間神社(東海道線用宗駅から北西側の線路沿いに静岡方面へ150mほど行った所)の脇の道(舗装された農道) から登る。途中、分かれて本丸への登城道に入る。本丸には、山麓から7~8分ほどで辿り着く。
本丸は東西が50m、南北が20mほどの長方形で、かつて建っていた城山観音堂の廃屋が残り、その側に城址碑がある。
本丸の北及び西の崖下には帯曲輪跡があり、廃寺の裏側に回ると、深さ5m、幅(上部)10mほどの大堀切がある。 堀切の向こう側は二の丸である。堀底の隅にはかなり大きな井戸跡が残っているが、金網で囲まれていて入ることが出来ない。この辺りが、 この城址の最大の見所であろう。
そして、もう一つの見所は何と云っても、本丸跡からの眺望であろう。本丸からの眺望は本当に素晴らしい。 眼下には東名高速道路とJRの線路が走り、その向こうには静岡の町並み、更に奥には富士山の雄大な姿を見ることが出来る。一方、右方面には、 日本平が見え、さらに右に目を向けると、眼下に用宗の町並みと、その向こうに青々と光り輝く駿河湾が見え、 さらにその奥には霞んではいるものの、伊豆半島が見える。しばらく、その景色に見入ってしまった。
(2007/04/14登城して)

ギャラリー

登城道①
持舟城へは、山麓にある浅間神社(東海道線用宗駅から北西側の線路沿いに静岡方面へ150mほど行った所) の脇のつまらない道(舗装された農道)から登る。この道は農協の許可なく車で通ることが出来ない。尤も、車で登っても、 駐車出来るところがないが。途中、「汐見坂」という石碑があった。
この辺りですでにかなり眺望が良い。確かに、この坂からなら、潮の流れがよく分かるだろう。
 

登城道②
舗装された農道をしばらく歩いて登って行くと、分かれて本丸への登城道に入る。やっと城跡らしい道になる。 本丸には、ここからは4~5分ほどで辿り着く。ここも含めて、小さな石で組まれた石垣が、城址のあちこちで見られる。 結構古いもののようにも見受けられるが、当時のものかは定かではない。
 

本丸
本丸は東西が50m、南北が20mほどの長方形で、かつて建っていた城山観音堂の廃屋が残り、 その側に城址碑がある。
 

本丸下の帯曲輪本丸の北及び西の崖下には帯曲輪跡の削平地がはっきりと分かる)

大堀切①
廃寺の裏側に回ると、深さ5m、幅(上部)10mほどの大堀切がある。この辺りが、 この城址の最大の見所であろう。

大堀切② (二の丸側から撮影)
この堀底の井戸脇にも石垣があるが、 やはり当時のものかどうかは分からない。

井戸跡
堀底の隅には。写真では分かりづらいが、かなり大きな井戸跡が残っている。残念ながら金網で囲まれていて、 入ることが出来ない。金網越しに見ると、岩を掘削しているようだ。
 

本丸からの眺望①        ~クリックにて拡大画面に~
この城址の見所の一つに、本丸跡からの景色がある。本丸からの眺望は実に素晴らしい。 眼下には東名高速道路とJRの線路が走り、その向こうには静岡の町並み、更に奥には富士山の雄大な姿を見ることが出来る。一方、右方面には、 日本平が見え、さらに右に目を向けると、眼下に用宗の町並みと、その向こうに青々と光り輝く駿河湾が見え、さらにその奥には、 霞んではいるものの、伊豆半島が見える。しばらく、その景色に見入ってしまった。

本丸からの眺望②        ~クリックにて拡大画面に~

本丸からの眺望③        ~クリックにて拡大画面に~

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