陣屋跡にたつ一柳公館址の石碑(右)と陣屋見取図板(左)
小松一柳家9代の陣屋
所在地
愛媛県西条市新屋敷
【行き方】
JR予讃線「伊予小松駅」から南へ約500m辺りが陣屋跡である。
町には案内板が結構あるので小松温芳図書館に駐車して散策するのをお薦めする。
小松温芳図書館:小松町新屋敷甲3007-1、電話0898-72-5634
形状
陣屋
現状・遺構等
現状:宅地
遺構等:移築門(仏心寺)、陣屋見取図板、石碑
満足度
★☆☆☆☆
訪城日
2007/05/01
歴史等
寛永13年(1636)伊勢神戸城主一柳
(ひとつやなぎ)直盛は、郷国西条へ6万8千石で転封になったが、赴任の途次大阪で病没したため、遺領のうち嫡男直重が西条3万石を継ぎ、
次男直家に伊予川之江と播磨小野で2万8千石、
三男直頼に伊予小松1万石が分け与えられた。
小松一柳家は、直頼以後小松を離れることなく、9代頼明の時に明治を迎えた。
戊辰戦争では、新政府軍として越後、会津へ転戦した。
菩提寺「仏心寺」には移築城門が現存している。
『大名の日本地図・中嶋繁雄著(文春新書刊)より』
現況・登城記・感想等
陣屋跡は、ほとんどが宅地となり、個人宅の横に「一柳公館址」と刻まれた石碑と陣屋見取図板が建てられているだけである。
近くに菩提寺の仏心寺があり、そこに陣屋門が移築されている。
また、小松温芳図書館の門(唐草門)は、小松藩2代藩主一柳直治の山荘「逍遥園」の正門であった。
(2007/05/01登城して)
ギャラリー
唐草門(小松温芳図書館の門)
この門は、小松藩2代藩主一柳直治の山荘「逍遥園」の正門であった。
唐草門の鴨居上正面の大蛇退治の大立ち回りの彫刻
鴨居の上の彫刻は、正面に波間に狂う大蛇退治の大立ち回り、裏面は、松の大木に雲を浮かばせた静かな構図で、
「動と静」に彫り分けられている。明治の初め、ここに移築された。
【仏心寺】
山門と供待(左端)
仏心寺は、慶安3年(1650)小松藩2代藩主一柳直治により創設された。
小松藩ゆかりの建物が移築されている。山門、御霊屋門、桜門、庫裡などが代表的なもので、珍しい遺構として、供待(お供の家臣の待機場所)
が残されている。尚、山門は移築城門ではなく、もともと仏心寺にあったものである。
御霊屋門
御霊屋門は、御霊屋口にあった門と伝わる。
㊧移築桜門、㊨庫裡
㊧陣屋の裏門だったもので、門を入ると奥方の部屋があったので「お部屋門」とも呼ばれた。