サン・マロ城(サン・マロ)

市庁舎・歴史博物館になっているサン・マロ城

中世にコルセールと呼ばれる海賊の拠点として栄えた城

フランス語名

Château de Saint-Malo

所在地

ブルターニュ地域圏イル=エ=ヴィレーヌ県サン・マロ郡

訪城日

2011/06/16、17

歴史等

サン・マロ城は、6世紀初期に聖アーロンと聖ブレンダンによって設立された修道士の居住地にその起源を遡る。その名前は、ブレンダンの弟子だったと言われるサン(聖)・マロに由来する。
早くから良港としてひらけたサン・マロの町は、初期にはサン・マロ司教によって治められ、その後フランス国王の治世を経てブルターニュ公領になった。
その後、サン・マロは誰の命令にも服さない、凶暴な海賊の根城として悪名高くなり、1590年から4年間、サン・マロは、「フランス人でもなく、ブルターニュ人でもなく、サン=マロ人だ」というモットーを掲げて、独立共和国であるとの宣言さえしたという。
中世の時代には、サン・マロ港は「*コルセール」と呼ばれる海賊の「*私掠船」の拠点港となり、英仏海峡を通る外国船に通行料を課し、また彼らが外国船から略奪した富のおかげでフランス最大の港となった。
第二次世界大戦では街を占領したドイツ軍を撃退するため、アメリカ軍の爆撃を受けて壊滅し、城塞だけが残った。戦後、瓦礫の石を積み上げて街を元通りに再現した。
『「ウィキペディア」、「地球の歩き方・フランス(ダイヤモンド社刊)」他より』

*コルセール:敵国の船を襲う権利をフランス国王から与えられた、いわば合法的な海賊
*私掠船:国王によって外国船を襲ったり略奪したりする許可を受けた民間船

現況・登城記・感想等

今回のツアーで、私にとって一番幸運だったのが、モンサンミッシェルのホテルがとれなくて、サン・マロに宿泊することになったことだろう。お蔭で、着いた日の6月16日の夕方の15分間と翌日の早朝に1時間ほど見て回ることができた(*^_^*)。
サン・マロは、中世には海賊の根城として、ランス川河口の島を城壁で取り囲み要塞化された街で、その向こうに広がる公海を統御していた。城壁は12世紀に築かれ、その後18世紀にかけて繰り返し拡張されてきたという。その間、15世紀には、サン・マロ城の塔(La tour de château)も建設された。また、17世紀には、より守りを強固にするために、城壁から海上300mほどにある小さな島々にも要塞が築かれた。
第2次世界大戦では、街を占領したドイツ軍を撃退するため、アメリカ軍の爆撃を受けて壊滅状態になったという。
戦後の復興で、同じく壊滅した他の街が近代的な街へと生まれ変わったのに対して、サン・マロの人々は、歴史ある従来通りの街に戻すことを選んだという。
そのお蔭で、城壁にぐるりと囲まれ、豪華な石造りの建物が軒を連ねた旧市街は中世の佇まいを残している。
残念ながら時間も少ない上、早朝の訪問のため、店なども閉まっており、旧市街の散策を楽しむことは出来なかったが、城壁の上を一周することができた。城壁上からは、旧市街地も見えると同時に、美しい海岸線も見渡すことができる。勿論、小さな要塞島もはっきりと見える。
この辺りは、潮の干満の差が非常に激しく、干潮時には歩いて渡ることができる。当日も、早朝時には干潮で島まで繋がっていたが、城壁を一周し終わった頃には、もう満々とした水が・・・。この間、僅か40分だ。
サン・マロ城は、現在は歴史博物館や市庁舎などになっているが、早朝のため入館できなかった。サン・マロは、他にも見どころいっぱいの街であり城だ。いつかまた登城したいものだ。
(2011/06/16、06/17登城して)

ギャラリー

サン・マロ城と旧市街の図(ホテルでもらったパンフレットより) ~画面をクリックにて拡大~
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【登城記】
前日の夕方は僅か15分の自由時間しかなく、サン・マロ城の周囲を少しだけしか見れなかったので、翌日の早朝6:00前にホテルを出発し、旧市街地の周囲をめぐる城壁の上を一周した。その登城記を時系列的に報告します。

サン・マロの海岸(2011/06/16、PM8:00)
サン・マロの街が面する海は、干満の差が激しいことでも有名で、何と満潮時と干潮時の差が最大18メートルにも達するそうだ。ホテルに着いた日の夜(明るいけどPM8:00です)は、海岸沿いの道の近くまで波が打ち上げ、サンマロの市街地の右に見えるナスィオナル要塞(Fort National)も海の中だ。
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サン・マロの海岸(2011/06/17、AM6:00)
翌日の早朝、サン・マロ城へ向かうべきホテルから海岸沿いの道を行くと、かなり潮がひいていて昨夜とは全く違う景色になり、ナスィオナル要塞(Fort National)へも歩いて渡れるようになっていた。
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ナスィオナル要塞(Fort National)AM6:20
少し満ち始めてきたようだが、まだまだ渡れそうだが、時間があまりないので、まずはサン・マロ城へ向かうことにした。
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サン・マロ城と旧市街地をめぐる城壁 AM6:24
右の方がサン・マロ城で左の方が旧市街地をめぐる城壁。
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サン・マロ城(市庁舎&歴史博物館)
馬蹄形をした高さ32mの巨大な塔(La tour de château)はブルターニュ公ジャン5世の命令によって、1424年に着工して建設された。日本の城でいうなら天守閣ということになるだろうか。現在は市庁舎や歴史博物館になっている。1927年から市立博物館の所蔵品を展示していたが、1950年に改修を経て、歴史博物館として新たに生まれ変わったそうだ。
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サン・マロ城(市庁舎&歴史博物館)
違う角度からもう一枚。この写真は前日の夕方撮ったものであるが、真っ青な空とサン・マロ城と風でたなびく旗風景がいいですねえ。
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旧市街地の城壁東面
右に見えるのはサン・マロ城のすぐ南側にあるヴィンセント門(Porte St-Vincent)で、そこから左へと城壁が続く。
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ヨットハーバー越しに見る城壁東面
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ヴィンセント門(Porte St-Vincent)
サン・マロ城(現市庁舎・歴史博物館)のすぐ南側にあるヴィンセント門をくぐり、城壁への階段を登って行く。 
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ヴィンセント門(Porte St-Vincent) AM6:30
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城壁の上にて
東面の城壁に登って撮影。城壁の外側は駐車場とヨットハーバー、内側は旧市街。
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サン・ヴァンサン大聖堂
旧市街の中心にはサン・マロのシンボル「サン・ヴァンサン大聖堂」が建っている。「サン・ヴァンサン大聖堂」は、12世紀から13世紀にかけて建立され、大聖堂は15世紀に建立されたが、第2次世界大戦で破壊され、1971年に修復された。
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城壁南面
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城壁南側の港を
旧市街の南側も港になっており、今でも旧市街の周囲のほとんどが海で囲まれているのが分かる。それにしても、この広々とした光景はいいですねえ。
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城壁南西角部
城壁南面を西へ向かって歩き、南西角へ来ると、北の方にオランダ要塞(Bastion de la Hollande)が見え、その向こうの海の方には、要塞の小島・プチベ島(La Petit Be)が見えてくる。
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見張ボックス?
城壁南西角に、ポリスボックスのような見張り場?が・・・。この建物、中に入ると、かえって周囲が見辛いような・・・?
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城壁西面を北へ
城壁西面を北へ向かうとBastion de la Hollandeへ昇る階段が見えてくる。
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オランダ要塞(Bastion de la Hollande)
オランダ要塞は、かなりの広さがあり、サン・マロ出身の探検家・ジャック・カルティエの像が立ち、その前方に大砲が据えられていた。そして、その向こうには要塞の小島・グランベ島(La Grand Be)とプチベ島(La Petit Be)が見える。これらの要塞島とで挟撃するわけだね。
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大砲と要塞島(右がグランベ島、左がプチベ島) AM7:00
この2つの島へは干潮時には歩いて渡れるそうで、朝一番で来れば渡れたようだが、登城し始めてから40分が経ち、それぞれが完全に海の孤島に・・・。
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ビーチ・Plage de Bon-Secours
城壁西面の下はビーチになっており、多くの海水浴客で賑わうようだが、まだ6月中旬だからか、或いは早朝なので人はいなかった。
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北西角(Tour Bidouane)へ向かう
左下にPlage de Bon-Secoursの浜辺を見ながら北の方へ進むとTour Bidouane(直訳すると税関塔か?)へ出る。そして、グランベ島(La Grand Be)とプチベ島(La Petit Be)もすぐ目の前に近づいてくる。
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Place du Québec
Tour Bidouaneの内側には石垣が積まれた一角があり、城壁との間に橋が架けられているが、早朝のためか進入禁止になっていた。Place du Québecとあるが、何があったのかは分からないが、かなり堅固な構えになっているので、ちょっとした要塞の跡だろうか?
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Place du Québecを北西角から撮影
この光景、かっこよくないですか?この北西角が、堅固な構えになっていたのが分かる。
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Fort à la Reineからサンマロ城の塔を
Fort à la Reineは、1738年に築かれたようで、砦は毛皮取引ポスト場として用いられとともに、多くの探査北と西のための作戦基地でもあったという。(ウィキペディアより)
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Fort à la Reineから旧市街建築を
この辺りの建物群は、中世の雰囲気の残る旧市街の中でも、特にその雰囲気がありかっこいい。

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Fort à la Reineからナスィオナル要塞(Fort National)を AM7:10
朝一番(AM6:20)で見た時には繋がっていたが、すっかり海水が・・・。あっという間です。
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トーマス門(Porte St.Thomas)へ降りていく
これで、城壁を一周したので、サン・マロ城のすぐ北側にあるトーマス門へ降りて行くことにした。
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トーマス門(Porte St.Thomas)
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市庁舎&歴史博物館(サンマロ城)を城内側から AM7:20
AM6:30から城壁の上を回り始めてAM7:20。約50分の登城でした。残念ながら、もう時間もなく旧市街を見て回ることは出来なかった。残念無念(;>_<;)。
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