ラインフェルス城(ザンクトゴア)

ライン川クルーズの船上からザンクト・ゴアの町と山上のラインフェルス城を

幾度もの包囲攻撃にも落城しなかった鉄壁の城

ドイツ語名

Burg Rheinfels

所在地

SCHLOSSBERG 47, 56329 ST. GOAR, GERMANY

現状

古城ホテル、会議場、城塞博物館

歴史等

ザンクト・ゴアの背後の山上に建つラインフェルス城は、 12世紀にこの辺りの領主になったカッツェネルンボーゲン家のディーター5世が、ライン川を航行する船からの徴税のための城として、 1245年に築いた。
1255年、ディーター5世が通行税を引き上げたため、これに反発した周辺領主(ライン都市同盟)が兵を挙げ、1255/56年、 14週間にわたりラインフェルス城を包囲したが、撤退を余儀なくされた。
1479年、カッツェネルンボーゲン家は断絶し、フヘッセン方伯の所轄となり、何回にもわたって城の増強・増築工事を進め、 フィリップス2世(1567~83)の時代には、ライン河谷では例外的ともいえるほどの大規模で豪華な城にした。
ラインフェルス城は、13世紀以来、何度も包囲攻撃を受けたが、ついぞ落城したことがなく、 1690年前後にライン河谷の城が軒並みルイ14世のフランス軍に攻め落され、破壊された時も、 この城は2万8千の兵力と56門の大砲を擁するフランス軍をはね返した。
ところが、1794年にフランス革命軍が迫ってきたとき、城将が弱気を出して、戦わずして開城してしまった。そして、 1796~97年にかけて石切場同様に爆破され、荒れるに任されていたが、19世紀に入って保存と修復が図られるようになった。
現在は、城の外郭部に新築された建物が部屋数56のホテルと会議場となり、それ以外は城塞博物館として公開されている。
『「現地購入ガイドブック」、「ライン川を巡る旅・紅山雪夫著(実業の日本社刊)」、「新版ドイツの城と街道・紅山雪夫著 (トラベルジャーナル社刊)」他参照』

現況・感想等

リューデスハイムで乗船して約1時間30分。右岸から高さ130mあまりの岩山が突出しているのが見えてくる。ローレライである。
ローレライに近づくと、船内のスピーカーから「ローレライ」の歌が流れ、甲板に座っていた人が一斉に立ち始め、歌いだす。
ローレライは非常に硬い岩の山塊で、ライン川はこれを侵食しきれずに、急に方向を変え、川幅は110mあまりに押し狭められて、 激流をなしている。今では爆破され除去されてしまったが、昔は水中に岩礁がいっぱいあって、大変な難所であったという。そこで、 船頭達は経験とカンを頼りに激流の中を船を進めたが、夕日がローレライの岩を赤く染める頃は、川面にも夕日がきらめいて船頭の目測を誤らせ、 岩礁に乗り上げて難破することが多かったという。
このことから、「岩山の上で水の妖精が歌を歌い、船乗りを惑わせて難破させた」というローレライ伝説が生まれたという。
ライン川クルーズは、ローレライを見たあと、左岸のザンクト・ゴア、次に右岸のザンクト・ゴアハウゼンへと進む。ザンクト・ ゴアの背後の山にはラインフェルス城が見え、ザンクト・ゴアハウゼンの丘の上にはカッツ城が見える。
我々のツアーは、ザンクト・ゴアで下船し、バスでケルンへ移動する。
ザンクト・ゴアの町からラインフェルス城を見上げても全容は見えないが、この城がかなり大規模な城であるのは分かる。
今回の、我々のツアーでは登城予定に入ってないのが残念!
(2210/09/17)

ギャラリー

ライン川クルーズ    ~Wクリックにて拡大画面に~
ライン川下りは、終点のケルンまで延々と続くが、旅行社のパック旅行によるライン川クルーズは、 リューデスハイムから乗船し、ザンクト・ゴアで下船するのが一般的なようである。そして、この間が、最も見どころが多いようで、 城も密集している。

ローレライが見えてくる
リューデスハイムで乗船して約1時間30分。 右岸から高さ130mあまりの岩山が突出しているのが見えてくる。ローレライである。ローレライに近づくと、船内のスピーカーから 「ローレライ」の歌が流れ、甲板に座っていた人が一斉に立ち始め、歌いだす。勿論、それぞれの国の言語で・・・。

ローレライ
有名な観光スポットであるが、高さ130mの単なる岩山だ。観光船も急流で短時間で通り過ぎるため 「世界三大がっかり」にも入れられることがあるそうだ。ヤッパリ(笑)。壁面に白い文字の落書きのようなのがいっぱいあったが、 どうやって書いたのだろう?

ザンクト・ゴア
いよいよ我々のライン川クルーズも終盤へとはいり、左前方にザンクト・ゴアの町が見えてくる。そして、 その背後にはラインフェルス城も見えてくる。

ラインフェルス城
ラインフェルス城は、 ライン河谷では例外的ともいえるほどの大規模で豪華な城であるというのが船上からも分かる。

ザンクト・ゴアで下船
ほとんどのライン下りツアーが、ザンクト・ゴアまでらしく、ずごい数の人でごった返すので、 早めに降りる準備する必要がある。

桟橋からラインフェルス城を
桟橋からもラインフェルス城が見えたので一枚!

ザンクト・ゴアの町からラインフェルス城を見上げる
ザンクト・ゴアに降りて城を見上げると、すぐ近くに見える。今回の、我々のツアーでは予定に入っておらず、 登城できないのが残念!

ラインフェルス城にて(2006/05/27に登城した家内の写真から)
以前、家内が来た時のツアーでは、この城のレストランで食事をしたという。 この時の家内のブログには以下の通り記されている。
『昼食は古城レストラン「ラインシュロス」。直ぐ上に見えているのにずうっと迂回路を上って行く。この道筋の美しいこと、 ヨーロッパの田園はどこも?のどかに美しい。ドイツは暗いイメージがあったが、五月も終わりのこの頃はやっぱり最高に美しい季節なのだろう。 古城レストランは実に上手に遺構を利用していて見事に美しく明るく豊かな雰囲気を演出していて、如何にも居心地のよい空間になっていた。 入ってみると「こんな不便なところにどこから?」と思うほど沢山の人が食事に来ていた。私たちは室内だったが、 ライン川の上に張り出すような城壁の上のテラスで食事している人々が羨ましかったなぁ・・・。昼食はグリーンサラダ・ 鱒の蒸し物クリームソース・パン・ビスタチオのアイスクリーム・コーヒーに「白ワインの名産地!」よ。 昼食の後ほんの少しの城跡散歩の時間が有って、使われていない城址の方を歩いてきたが、思っていた以上に大きな遺構だった。 そしてその崩れた城壁の趣が川を背景に魅力的だった。』

 

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