レジデンツ前の広場から
ヴュルツブルクにあるヨーロッパで最も美しい司教館
所在地
バイエルン州ヴュルツブルク(Würzburg)
訪城日
2010/09/16
歴史等
1200年頃の司教コンラッド・フォン・クヴェアフルトによりマリエンベルクに大規模で堅固な城塞が建設されて以来、このレジデンツが建設される1719年までマリエンベルク要塞がヴュルツブルクの司教の居館であった。
1719年にヨハン・フィリップ・フランツ・フォン・シェーンボルンが司教領主となると、司教領主が市内に住むための居館・レジデンツの建設が始まりまった。
この巨大プロジェクトの建築主任に、才能はあるものの当時はまだ駆け出しの建築家にすぎなかったバルタザール・ノイマンを指名した。そして、宮殿の装飾には、当時ヨーロッパで最も有名であったジョバンニ・バティスタ・ティエポロを招聘することとなった。ノイマンとティエポロの組み合わせは、最高傑作を約束する組み合わせであった。ノイマンによる、技術的に当時最先端のヴォールト天井は、巨大な帆のように階段の間を覆い、空間に類を見ない広がりをもたらし、まさにティエポロのフレスコ画のために造られたようにさえ思われるほどである。
尚、この階段の間の吹き抜けは当時としては常識外れの設計で、「設計ミス」、「絶対に崩れる」などと酷評されたが、ノイマンは「砲弾を打ち込まれても崩れない」と反論した。そして、第二次世界大戦の空襲でここだけ天井が残った事でノイマンの言は証明されたのである。その頑丈さの秘密は建材に軽くて丈夫で耐火性がある凝灰岩を使ったからだという。
第2次世界大戦時の1945年3月19日の空襲によってレジデンツはほぼ全壊し、疎開させられていなかった美術品は全て灰燼に帰した。しかしホーフ教会やエントランスホール、庭園の間、階段の間、白の間、皇帝の間といった、石造のヴォールト天井で覆われた部屋は被害が少なかった。そして、これら重要な部屋は、間もなくアメリカ軍の美術保護担当将校ジョン・D・スキルトンによって仮屋根で覆われた。
主要部分が残ったことで、戦後バイエルン州はレジデンツを広範囲にわたって再建したのである。
『現地購入ガイドブック他参照』
現況・登城記・感想等
ヴュルツブルクは、フランケン地方の文化の中心地で、文化都市としての性格が強く、街の見どころは非常に多いが、何と云っても「レジデンツ」と「マリエンベルク要塞」が双璧だろう。
「レジデンツ」も城といえば城だが、軍事機能は完全に排除され、あくまでも居住のための豪華な宮殿で、内装は勿論、外装にも美観に目がいってしまっている。
私は、どちらか一方だけの見学となれば絶対に「マリエンベルク要塞」だが、今回のツアーの予定に入っていない(>_<)/。
ヴュルツブルクのレジデンツは、ナポレオンをして「ヨーロッパで最も美しい司教宮殿」と言わしめた宮殿であり、私も、その外観等々、確かに豪華であるとは思うが、特徴がなくつまらないと思う。
ただ、各部屋の内装、特に庭園の間(Gartensall)、階段の間(Terpprnhaus)、白の間(weiß Saal)、皇帝の間(Kaisersaal)、鏡の間(Spiegelkabnett)は見事だ。
中でもノイマンの最高傑作といわれる「階段の間」の柱の無い広大な吹き抜けに、画家ティエポロの描いた、4大陸を表しているという世界で一番大きいフレスコ天井一枚画は素晴らしすぎて、長時間天井を見上げてしまい、一ヶ月前に頚椎症で入院した私には酷?だった(苦笑)。
尤も、階段の間や白の間以外の多くの部屋は、鏡の間をはじめとして、あまりにも派手で好みではない。というより、こんな部屋にいたら疲れるのでは?(笑)。
(2010/09/16登城して)
ギャラリー
レジデンツを横(北側)から
レジデンツの建物は、確かに豪華であるが、規模こそ違え、明治時代の日本の建物のもあるような感じで、あまり感動はしない。
レジテンツ前の広場①
私が行った日、レジデンツでは三銃士の映画のロケをやっており、広場やホーフ庭園などへは入ることが出来なかった。
レジテンツ前の広場②
広場からは、小高い丘の上に建つマリアンブルク要塞がよく見える。
映画「三銃士」のロケ
ロケにはオーランド・ブルームが来ているというので、大変な人だかりだった。家内などは、ヴュルツブルクへは以前にも来たことがあり、こちらの方が興味があるようだった(苦笑)。
フランコニア噴水
広場にはフランコニア噴水があるが、入って行けないのでズームアップで・・・。中心には女神フランコニア、周りには3人のヴュルツブルクゆかりの人たちの像が。
入館・・・
レジデンツの北側脇から入城する。
ホーフ庭園
ホーフ庭園へも入れず、入館時に脇からちょっと撮影。
階段の間(館内購入ガイドブックより)
館内撮影禁止なので、館内で購入したガイドブックから写真をちょっと拝借。この「階段の間」はレジデンツで最も有名で、ノイマンの最高傑作といわれている。またティエポロの描いた、4大陸を表しているという世界で一番大きいフレスコ天井一枚画は素晴らしすぎて、長時間天井を見上げてしまい、一ヶ月前に頚椎症で入院した私には酷?だった(苦笑)。
鏡の間(館内購入ガイドブックより)
ガイドブックには「非常に個性的なロココ装飾が施された鏡の間」と紹介し、「壁や天井の鏡が、この部屋を”無限の空間”に変えている」となっているが、こんな金ぴかの部屋に長時間居たら疲れそう(苦笑)。