ハドリアヌスの長城（ｲﾝｸﾞﾗﾝﾄﾞ）/登城記｜タクジローの日本全国お城めぐり

バードオズワルド・ローマ砦から東へ延びるハドリアヌスの長城

ケルト人の侵入に悩まされたローマ皇帝ハドリアヌスがスコットランドとの国境近くに築いた長城

英語名

Hadrian's Wall

所在地

イングランド北部（スコットランドとの国境近く）
バードオズワルド・ローマ砦(Birdoswald Roman Fort)：Gilsland, Brampton, Cumbria - CA8 7DD

訪城日

２０１４／０７／２０

歴史等

ローマ帝国は１世紀半ばにブリタニアまで領土を拡大させたが、ケルト人の侵入に悩まされていた。そこで皇帝ハドリアヌスが長城の建設を命じ、１２２年に工事が開始され、完成には10年の歳月がかかった。
建設に当たっては、ローマ帝国の支配地から１万５千～１万８千人の兵士ら動員され、１２０ｋｍ近くにわたる長城が築かれた。
完成当初は木と土塁で、その後に石垣で補強されたと考えられている。
約１．５ｋｍの間隔で監視所も設置され、６ｋｍ間隔で要塞も築かれた。要塞には５００人から１０００人のローマ兵が配備されたと推定されている。
長城は、スコットランドに対する防御壁として、ローマ帝国の支配が及ばなくなった４世紀後半以後も、１７世紀まで使用されていた。このため、イングランドとスコットランドの国境として半ば固定化し、現在のイングランドとスコットランドの境界線にも大きな影響を与えている。
『ウィキペディア他より』

現況・登城記・感想等

ハドリアヌスの長城はイングランド北部、スコットランドとの境界線近くにあります。ハドリアヌスはこの壁を「ローマ人と未開人を分ける」ために建てましたが、彼の帝国の最北端の国境となりました。
要するに、北方異民族侵入を防ぐ為に築かれた中国の「万里の長城」と同じ発想ですね。但し、規模は「万里の長城」には遠く及びません。
スコットランドやイングランド北部は牧場が多く、その多くが石垣で区画されていますが、その石垣と間違えるほどのチャチ（失礼）なもので、家内などは、すぐ傍の牧場を区画する石垣を長城の一部と間違えていました（笑）。実際には石垣の高さは２～３ｍほどで、上部幅も２ｍほどあり、その両側も深くなっており（多分、空堀）、そう簡単には越えることはできないかもしれませんがね。
尤も、築かれた当時は高さ６m以上あったそうで、後世になってから修道院や城、家、農場などの建築用に城壁の石が盗まれてしまったのだそうです。
我々が訪れた「バードオズワルド・ローマ砦(Birdoswald Roman Fort)」近くの城壁もそうなのでしょう。高さ２ｍほどしかなく、少し改変もされているようでした。
バードオズワルド・ローマ砦は６ｋｍ間隔で築かれた要塞の一つで、５００名もの兵士が駐屯したそうです。現在残る要塞の中でも、最も保存状態が良いそうですが、入口のショップ周辺をウロウロする時間しかありませんでした(／。ヽ)。
（２０１４／０７／２０訪れて）

ギャラリー

長城跡へ向かいます
バスの駐車場から長城へと（城壁）石垣に沿って歩いて行きます。奥に見えるのが長城（城壁）で、手前の石垣は牧場を区切るもので、いわば塀のようなものですが、これも長城（城壁）の一部だと思った人も多かったようです（苦笑）。確かに、今残る長城の城壁と高さも大して違いはありませんが、さすがに幅が違います（笑）。

城壁
牧場の石垣に沿って歩いて来ると、長城の城壁へ出ます。ここを右へ行くと「バードオズワルド・ローマ砦(Birdoswald Roman Fort)」へ出ますが、まずは左へ向かい、城壁の上を歩いて行くことにしました。
尚、この辺りから、城壁内側へ入って行けるように改変されているようです。多分、右側の石垣を少し位置をずらして新たに築いたのではないでしょうか？当時は、そう簡単に城壁内へ入ることは出来なかったでしょう。