ベルヴェデーレ宮殿（ウィーン）/登城記｜タクジローの日本全国お城めぐり

上宮と下宮の間のフランス式庭園越しに上宮を

トルコ軍からウィーンを救った英雄プリンツ・オイゲンの夏の離宮

ドイツ語名

Schloß Belvedere

所在地

Prinz-Eugen-Str. 27., Wien

訪城日

２０１２／０６／０３

歴史等

【下宮】
ベルヴェデ－レ宮殿下宮は、１７１４年にオイゲン・フォン・サヴォイエン（プリンツ・オイゲンの呼び名で知られる）により建設が始められ、２年後に完成した。
大理石の大広間や数々の居室のほか、骨董品や絵画コレクションを収蔵するスペースも造られた。
ところが、１７３６年、オイゲン公が没すると、これらのコレクションは唯一の相続人ヴィクトリア・ザクセン＝ヒルトブルクハウゼン公爵夫人によって売却されてしまった。
１７５２年には、ハプスブルク家のマリア・テレジアに売却されたが、マリア・テレジア本人は一度も利用しなかったという。
フランス革命中は、一時的に皇帝の居館となった。また、ナポレオン戦争中は、フェルディナント２世の世界的に有名なコレクションが、チロルのアンブラス城からベルヴェデーレ宮殿に疎開された。また、ベルヴェデーレ宮殿下宮には１８０６年以降、ハプスブルク家の宝物の一部も収蔵されていた。
１９０３年にはモダンギャラリーが開設された。
【上宮】
上宮のある場所はウィーンの街を一望できる場所であったため、、当初はシェーンブルン宮殿のグロリエッテのような展望台を建設する予定であった。
しかし、オイゲン公の敷地内にもう一つ宮殿を建てるという、建築家ヒルデブラントの構想が優先され、１７１７年から１７２３年にかけ上宮が建設された。オイゲン公は、この上宮を主に社交行事のために利用した。
オイゲン公の死後、１７８１年には「皇帝絵画ギャラリー」が開設された。
しかし、１８９７年に建築家Ｅ・フォン・フェルスターの監督のもと、大規模な改装工事が始まり、１８９９年以降は、フランツ・フェルディナント大公とその家族が居館とした。
１９１４年、フランツ・フェルディナント大公夫妻はサラエボで暗殺された。第１次世界大戦のきっかけとなったこのサラエボ事件で居城としてのベルヴェデーレ宮殿の役目が終わり、１９１９年に新たに成立したオーストリア共和国の所有物となり、それ以降は美術館として利用されるようになった。
１９４４年から１９４５年にかけて、宮殿はすさまじい空襲による被害を受けたため、戦後、大規模な修復工事が行われた。
『現地購入誌・皇帝の都ウィーンほかより』

現況・登城記・感想等

ベルヴェデ－レ宮殿は、上宮と下宮の２つの宮殿からなる。
現在、上宮は１９～２０世紀のオーストリア絵画を展示した美術館になっており、グスタフ・クリムトのコレクションは世界最大で、代表作「接吻」などが展示されている。
下宮は、プリンツ・オイゲンの豪華な居室とともにギャラリー（特別展会場）があるという。
我々のツアーは、上宮のみの見学で、この宮殿見学の目玉であるクリムトの作品等も鑑賞したが、クリムトをはじめとする世紀末芸術の魅力が分からない私には・・・？
その後、１５分ほどの僅かなフリータイムが与えられたが、勿論、下宮までは行けず、フランス式庭園を見るのがやっと(／。ヽ)。尤も、シェーンブルン宮殿と同様、この手のだだっ広い敷地に建つ、ワイドな建物に興味を覚えないし、フランス式庭園も、綺麗だとは思うが、あまりにも人工的で好みではない。
とは言いながら、僅かなフリータイムを利用して、上宮と下宮の間にある広大なフランス式庭園の中央辺りまで大急ぎで歩いて行き、写真を撮りまくったが・・・（苦笑）。
いずれにしても、パック旅行で決められた僅かなコースしか見て回っていないので、感想もいい加減かな？
ただ、言えることは、これほど大規模で立派な宮殿が、サヴォイア家の血を引く貴族とは言え、一介の家臣のものであったというのは驚きだ。
（２０１２／０６／０３登城して）

ギャラリー

南側のゲート
宮殿へ、上宮の南側のゲートから入城。

上宮の南側の庭園越しに上宮を
ゲートをくぐり入城すると、正面に上宮が・・・。天気が良ければ、写真奥の池に上宮が映る姿がかっこいいらしいのだが、生憎の雨(／。ヽ)。

上宮脇からフランス式庭園越しに下宮方面を望む

上宮から下宮方面を望む
ベルヴェデーレ宮殿は、上宮（南側）と下宮（北側）の２つの宮殿からなり、その間はなだらかな坂になっており、上宮からの眺望、特に上宮の２階から眺める、フランス式庭園と下宮、そして、その向こうに見えるウィーンの街並みは絵になる。宮殿内が撮影禁止なのを知らず、入館してすぐに彫刻を撮影したら怒られたので、２階からの写真も撮らなかったが、ひょっとしたら、窓の外を撮るのはＯＫだったのかも？いずれにしてもあとの祭りだが・・・(／。ヽ)。