狭い中洲(岩礁)の上に建つネズミの搭
ライン川の中洲に建つ通行税を徴収の為のかつての関所
ドイツ語名
Mäuseturm
所在地
ラインラント=プファルツ州 (Land Rheinland-Pfalz)ビンゲン・アム・ライン(Bingen am Rhein)
歴史・現況等
ビンゲンの港を出てしばらくすると、中洲にクリーム色の搭が見えてくる。「ネズミの搭」である。
13世紀にマインツ大司教の命で、見張り及び税関(通行税)搭として建てられ、14世紀に増築されたと推定される。
重税で農民や通行人を苦しめたマインツ大司教が、ここでネズミに食い殺されたという伝説にその名が由来するという。
この大司教は特に強欲だったようで、通行する船から必ず通行税を取り、住民には高い税金をかけ、贅沢三昧をしていたという。ある年、大飢饉となり、飢えで困った住民達は食べ物を分けてくれるよう、この大司教に直訴したが、大司教は承諾するふりをして、住民を納屋に集め、火をつけ、納屋ごと燃やしてしまった。ところが、燃え尽きた灰の中から何千何万というネズミが現れ、危険を感じて逃げて、「ねずみの塔」に、隠れた大司教を追いつめ、ついには食い殺してしまったという話が残っている。勿論、伝説であろう。
その後、1689年にフランス軍によって焼かれたが、1855年に新ゴシック様式で再建され、1974年までライン船舶交通の信号塔として使われていたそうだ。
(2010/09/17、ライン川クルーズにて)
ギャラリー
ライン川クルーズ
ライン川下りは、終点のケルンまで延々と続くが、旅行社のパック旅行によるライン川クルーズは、リューデスハイムから乗船し、ザンクト・ゴアで下船するのが一般的なようである。そして、この間が、最も見どころが多いようで、城も密集している。
ライン川クルーズで、ビンゲンの港を出てしばらくすると、中洲にクリーム色のネズミの搭(写真左)が見え、その右奥のブドウ畑の丘にエーレンフェルス城(写真右)の廃墟が見えてくる。
ネズミの塔は、中洲というよりも小さな岩礁上に建っているような感じです。