沙流川とユオイ沢に挟まれた急崖の台地上に造られた丘先式チャシ
所在地
北海道沙流郡平取町字二風谷24ユオイチャシ公園(二風谷ダム管理事務所の南西)
形状
丘先式チャシ
現状・遺構
現状:ユオイチャシ公園
遺構等:空濠(2条)、説明板
満足度(10点満点)
3点
訪城日
2008/10/19
歴史等
沙流川とユオイ沢に挟まれた外周を急な崖の台地上に造られた丘先式チャシで、「祭祀」や「見張り場」の機能を持っていたようである。
「ユオイ」とはアイヌ語でユ=冷水、オ=ある、イ=ところという意味である。
北東~南西方向60m、北西~南東方向45mほどで、総面積は2,000m弱の丘先式チャシとしては比較的大きいものである。
二風谷ダム建設工事に先立って発掘調査が実施されたところ、主体部は造田工事によって破壊されていたが、
二重の弧状濠とチャシ内の周縁部に柵列跡、また金属製品をはじめ多数の遺物が発見された。
『「現地説明板」、「沙流川歴史館展示」、「沙流川歴史館パンフレット」より』
現況・登城記・感想等
ユオイチャシ跡は、主体部も濠もコンクリートやアスファルトで固められてしまってはいるが、形状(全体像)
が分かりやすく復元されている。
本来なら、なるべく自然な状態で残すのが良いのだろうが、保存・維持に掛かる費用を考えれば止むを得ないのだろう。
主体部の周りは芝生で綺麗に整備され、天然の谷が濠のようになっている姿は見応えがある。また、沙流川を見下ろし、
遠くに山並みの見える光景は素晴らしいが、野焼きによる煙がすごくて・・・(怒)。ダイオキシンは大丈夫なのかねえ!!
尚、二風谷には「アイヌ文化博物館(400円)」の奥に「沙流川歴史館(無料)」があり、ユオイチャシ、ポロモイチャシや二風谷遺跡等々の説明や発掘調査の様子や模型が展示、
さらにはテレビ画面による紹介等々があるので入館するのもいいかと思います。
(2008/10/19訪れて)
ギャラリー
ユオイチャシとポロモイチャシの位置
(現地説明板より)
ユオイチャシ全景(沙流川堤防より撮影)
ユオイチャシ主体部への階段
濠に架かる主体部への橋
主体部も濠もコンクリートやアスファルトで固められてしまっている。
空濠
濠の長さは28~30mほどで二重のゆるやかな弧状に掘られている。調査時点では破壊され、削られていた。
内濠の断面は上がやや大きく開いたU字形で上幅が3~4m、下底部が0.1~0.6m、深さは約1.5mで、
外濠は断面がV字形で上幅2~2.6m、下底部0.2~0.5m、深さは約1.3mである。
主体部からダムを
これだけ大規模なダムを造れば、文化財もへったくれもないよなあ!ポロモイチャシなんか何も残ってないよ
(怒)!裁判でかなりもめたようだが、他の場所に造るとか、何とかならなかったものだろうか?
天然の崖(濠)
主体部の周りは芝生で綺麗に整備され、天然の谷が濠のようになっている姿は見応えがある。尤も、
この辺りはかなり改変されているかも?
全景
沙流川を見下ろし、遠くに山並みの見える光景は素晴らしいが、野焼きによる煙がすごくて・・・(怒)。
ダイオキシンは大丈夫なのかねえ!!