シベチャリチャシ(新ひだか町、旧静内町)

真歌公園に立つアイヌの英雄シャクシャインの像とユカルの搭

アイヌの英雄シャクシャインの最後の砦

別名

シャクシャインのチャシ、シャクシャイン城

所在地

北海道日高郡新ひだか町静内真歌441-1、真歌公園内

形状

丘先式チャシ(標高:80m)

現状・遺構等

【現状】 真歌公園
【遺構等】 堀切、郭、シャクシャイン像、ユカルの塔、石碑、説明板他

【国指定史跡】
指定日:平成9年12月2日

満足度

★★☆☆☆

訪城日

1998/05/24
2008/10/20

歴史等

全道のアイヌを率い、和人と戦ったアイヌ民族の英雄シャクシャイン。銅像の建つ真歌公園は、そのシャクシャインが寛文9年(1669)、「寛文九年蝦夷の戦い(シャクシャインの乱)」で最後の砦とした場所である。
シャクシャインの乱とは、交易時の不平等に怒りを募らせたアイヌの長シャクシャインが、全道のアイヌに呼びかけ一斉に蜂起した争い。一時は道南地方(現長万部町国縫)まで攻め寄ったものの、松前藩の鉄砲隊に徐々に後退。最期は和議の申し出という口実のもとに謀殺され、砦も焼き払われたと伝えられている。
『参考サイト:静内町公式ホームページ・(観光案内・歴史探訪)』

【真歌公園内シャクシャイン像碑文より】
日本書紀によれば、斉明の代(西暦650年代)において、すでに北海道は先住民族が安住し、自らアイヌモシリ(人間世界)と呼ぶ楽天地であり、とりわけ日高地方は文化神アエオイナカムイ降臨の地と伝承されるユーカラ(叙事詩)の郷であった。
今から約300年前、シャクシャインは、ここシビチャリのチャシ(城砦)を中心としてコタンの秩序と平和を守るオッテナ(酋長)であった。
当時、自然の宝庫であった此の地の海産物及び毛皮資源を求めて来道した和人に心より協力、交易物資獲得の支柱となって和人に多大の利益をもたらしたのであるが、松前藩政の非道な圧迫と苛酷な搾取は日増しにつのり同族の生活は重大脅威にさらされた。
茲にシャクシャインは人間平等の理想を貫かんとして民俗自衛のため止むなく蜂起したが衆寡敵せず戦いに敗れる結果となった。
しかし志は尊く永く英傑シャクシャインとあがめられるゆえんであり此の戦を世に寛文9年エゾの乱と言う。
いま静かに想起するとき数世紀以前より無人の荒野エゾ地の大自然にいどみ人類永住の郷土をひらき今日の北海道開基の礎となった同胞の犠牲に瞑目し鎮魂の碑として、ここに英傑シャクシャインの像を建て日本民族の成り立ちを思考するよすがすると共に父祖先人の開拓精神を自らの血脈の中に呼び起こして、わが郷土の悠久の平和と彌栄を祈念する。
1970年9月15日 シャクシャイン顕彰会 会長神谷与一

現況・登城記・感想等

たまたま通りかかったら、シャクシャイン城とあったので立ち寄った。堀切跡等も残っており、寄ってみて良かった。
シベチャリチャシからはるか眼下に広がる静内川や町並みの眺めは、このチャシが川の断崖絶壁の上にあることもあり、なかなかのものである。和歌山県の新宮城からの眺めによく似た印象である。
シャクシャインの名前は知ってはいたが、その人物や歴史についてはよく知らず、後で調べた。
(1998/05/24に訪問後)

10年ぶりに訪れたが、以前よりも、さらに綺麗に整備されていた。
このシベチャリチャシ跡は、遺構が云々というよりもアイヌの英傑「シャクシャイン」を思い起こす地であろう。
残念ながら月曜日で、「静内町アイヌ資料館」と「シャクシャイン記念館」は休館だったので、ぶらぶらと真歌公園内を散策した。
今回も、天気が良く展望台から見下ろす眺望は相変わらず素晴らしかった。
(2008/10/20訪れて)

ギャラリー

静内川対岸から仰ぎ見るシベチャリチャシとホイナシリチャシ
半島状の丘陵の先端(右端)がホイナシリチャシで、左側の高い部分がシベチャリチャシ。川の手前にある石碑は「染退川(しべちゃりがわ)渡船場跡」の碑。静内橋が架設されるまでの寛政11年(1799)頃~明治39年(1906)まで染退川(静内川)には丸太舟などを使っての舟渡しがあったそうです。
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真歌公園(シベチャリチャシ)へ
シベチャリチャシ跡である真歌公園へ入って行くと、シャクシャイン像とユカルの塔が。
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堀切
主体部(本郭)前の堀切。緩やかな傾斜で浅いが、往時はどの程度のものだったのでしょうか?
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堀切に架かる木橋
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主体部(本郭)
主体部には石碑(右奥)と展望台(中央奥)が
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シャクシャイン城址の石碑
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本郭展望台からの眺望(西方面)
チャシの真下を流れるのは静内川で、河口の奥には太平洋が広がります。 
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本郭展望台からの眺望(北東方面)
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