信濃 松本城(松本市)

大天守を中心に乾小天守(左)と辰巳付櫓・月見櫓(右)

戦国時代の天守が現存する国宝の城

別名

深志城

所在地

長野県松本市丸ノ内

形状

平城

現状・遺構等

現状:松本城公園
遺構等:現存天守群、金蔵、復元門、石垣、水堀、石碑、説明板等

満足度

★★★★★

訪城日

1996/05/02~03
2009/12/13他

歴史等

松本城のはじまりは、室町末期頃に守護小笠原氏が本拠の林城が山城であるため、守護所として居館(深志城)を営んだことに始まるといわれる。
天文19年(1550)武田信玄によって深志城は陥落し、以後、信玄は馬場信春を城代とした。武田氏の時代の永禄・元亀年間(1558~73)に大規模な工事が施されて、近世松本城に続く縄張りが整ったという。
天正10年(1582)織田信長の武田氏征伐によって、深志城は小笠原貞慶が城主に返り咲き、松本城と改称した。
天正18年(1590)には豊臣大名石川数正(もと徳川家康の重臣)が入城した。数正と康正父子により本格的な城郭普請がなされ天守ほか本丸御殿・二の丸・三の丸が完成した。
関ヶ原合戦後、小笠原氏が城主に返り咲き、ついで松平直政が入り、月見櫓・米蔵等が整備された。寛永19年(1642)水野忠清が入城した。水野氏時代に今日の松本市の基礎となった城下町経営が整い13町8小路が成立した。享保11年(1726)に松平(戸田)光慈が6万石で入部し、以後、戸田氏歴代が城主として明治を迎えた。
明治の維新で城全体が売却され、解体の危機に瀕したが、幸い街の識者の尽力により破棄をまぬがれ、明治の大修理・昭和の解体修理を経て今の姿がある。 黒門枡形の高麗門と袖塀は平成2年に、太鼓門枡形は平成11年に復元工事が完成している。
『「日本100の城(日本交通公社刊)」、「日本の名城・古城もの知り事典(主婦と生活社刊)」、「パンフレット」参照』

現況・登城記・感想等

全国に12ある現存天守のうち、五層天守は姫路城松江城と、この松本城だけである。今日は、その松本城が見られるとわくわくして登城した。車で松本市の中心街に入ったのは夕方になった。城が家並み越しに少し見えたが、想像していたよりずっと小ぶりで、ちょっとがっかりした。その夜、食事がてらちょっと寄って、まあまあだなといった印象まで戻った。
そして翌朝、正式に登城。「いやあ、かっこいい。実に美しい。しかも城そのものだけでなく遠くに見える北アルプスと一体になっていて、実に美しい風景美をかもし出している。」と昨日の印象が一転してしまった。姫路城は城郭そのものの美であるが、この城は背景との調和による美である。堀に沿って一周してから、本丸内に入ったが、ここからの城も庭園も綺麗で素晴らしかった。  
(1996/05/02-03訪城して)

松本市近辺には見応えのある山城が多く、松本城の近くはよく通り、その美しい姿を見て、いつもちょっと寄ってみたいと思うが、次の登城予定があり横目に眺めながら通るだけであった。
今回は冬になり、空気が澄んで晴れ渡る空のもとで「松本城とその向こうに見える北アルプスとのコラボ」を楽しみにやってきたが、残念ながら靄がかかり北アルプスは見えなかった。
今回も、他に廻りたい城がいっぱい控えていたので、30分ほどで城の周囲を廻り、まだ撮ってなかった城門等々を撮って廻っただけで、本丸内には入らなかった。
松本城は何度見ても、また、どの角度から見ても絵になることを再確認した。
(2009/12/13登城して)

ギャラリー

縄張図(現地説明板より)
縄張図

大天守が見えてくる
南側から松本城公園(二の丸跡)へ入ると、左手に大天守が見えてくる。何とも絵になる。
大天守

北アルプスを背景に ~クリックにて拡大画面に~
1996年5月3日に撮った写真である。当日は、爽やかな五月晴れで天守の遠く向こうに北アルプスが見え、そのコラボが見事だった。
大天守2

大天守と辰巳付櫓・月見櫓
上写真とほぼ同じ角度から撮ったものであるが、今回(2009/12/13)は、少し靄がかっていて残念ながら北アルプスは見えなかった。
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辰巳付櫓(左)と月見櫓(右)
月見櫓は他の櫓とは違い風雅な感じさえする。こんな場所から月見がしたいものだ。
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大天守を中心に乾小天守(左)と辰巳付櫓・月見櫓(右)
松本城天守

右から大天守、渡櫓、乾小天守
大天守と小天守

埋橋手前から
埋橋を渡ると埋門へ。埋門をくぐると本丸である。
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若宮八幡宮跡から
松本城は何処から眺めても絵になる!
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本丸北側の外堀越しに
説明板の縄張によると、本丸の北西から北側にかけての堀は外堀となっていたが、どう見ても内堀にしか思えないのだが・・・。
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本丸の北門
手前の土橋は「水戸違い」になっていて、左右の堀の水位を調整する機能を持っている。
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二の丸裏御門橋
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二の丸御殿跡
二の丸御殿跡は、建物の復元表示がされている。ちなみに、手前は雪隠だ。右奥は土蔵。
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土蔵
慶応3年(1867)に新築されたもので、当時は御金蔵として使用された。明治9年(1876)の旧二の丸御殿(当時は筑摩県庁)火災に焼け残り、その後昭和52年(1984)10月解体修理が完成した。
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二の丸の丑寅櫓の櫓台
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太鼓門
櫓門(一の門)と高麗門(二の門)、さらに続櫓まで伴う立派な門である。太鼓門は、天守築造後の文禄4年(1595)頃に石川康長によって築造され、それから270余年後の明治4年(1871)に旧物破壊の風潮の中で取り壊されたままになっていた。平成11年3月に128年ぶりに復元された。
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太鼓門一の門(櫓門)
城の重要な門には、威厳をそえるために巨石を据えることが多かったが、この櫓門の脇にも築造者石川玄蕃頭康長に因んだ重量22.5トンの玄蕃石(写真中央)を控えている。
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太鼓門枡形と二の門(高麗門)
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古山寺御殿跡
民族史料館の建つあたりが古山寺御殿で、この角に辰巳隅櫓があった。それにしてもこの史料館、不粋な建物だ。
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黒門
この門も枡形門になっている。平成2年(1990)に復元が完成した。
黒門

本丸御殿跡(1996/05/03登城時に撮影)
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コメント

お洒落なオヤジ(2006/01/03)

私も2回登城しましたが、修学旅行の女子高生がミニスカートで前にいまして、城の急な階段を昇るのでパンツが丸見えでした。
最高にいいお城、満点100点いや?120点です!

タクジロー(2006/01/10)

パンツはともかく、背景に北アルプスが見え、お堀には城が写り、最高ですね。

コウ(2008/09/20)

3歳まで近所に住んでいました。
毎日のようにお城の鳩に餌をあげに行っていたそうです。(覚えてないですw)
お陰で城好きになりました。
今は埼玉に住んでいますが、たまに遊びに行きます。
天守以外にも太鼓門等が復元されて整備されていますね。
本当にすばらしい城だと思います。

タクジロー(2008/09/21)

コウさま
コメント有難うございます。
松本城は、本当に素晴らしいですね。
天守閣と北アルプスのコラボレーションは本当に絵になりますよね。
近い内に、また登城したいと思っています。

富岡武蔵(2009/12/17)

おお、私も先日、松本城へ行ってきました。目も肥えたところで、久々に見てきましたが、やはり名城ですね。
 いまは「天地人」の著者、火坂雅志氏が地元の新聞、上毛新聞に
「真田三代」と題して小説を連載しています。これに刺激されて真田町にある松尾城を攻めてきました。石版を積み重ねた城壁は見ごたえありますぞ。

タクジロー(2009/12/18)

私も、松本城は久々でした。やはり名城ですね。
松尾城も確かにいいですね。登城したのは随分前で、城めぐりを始めたばかりの頃です。
あの信州特有の石積みを見たのは、松尾城が始めてだったので、感激したのを覚えています。
真田氏の原点の城だと思うとロマンも感じますしね。
再登城したい城の一つです。

富岡武蔵(2009/12/26)

最近は相木氏の城をめぐっておりますが、タクジロ-さんは南相木村にある見張城、火燈城、峰雄城に登城されていますか?もしご存知であれば登城口を教えてください。

タクジロー(2009/12/28)

武蔵さま
見張城、火燈城、峰雄城は登城したことがないだけでなく、存在そのものも知りませんでした(汗)。
申し訳ありません。

新倉 学(2010/10/07)

2004年は殆ど諏訪に仕事の関係上で滞在していました。
当然、週末は城址散策です。
その中で松本城登城あり、4回は登城しています。
登城するたびに木造建築がこのデジタルの時代に美しいと思えるのは幸せと感じます。日本の良さですね。

タクジロー(2010/10/08)

新倉さま
松本城は、確かに美しく、何度登城しても飽きないですね。
一度、真冬に、北アルプスがくっきり見える晴天の日に登城し、城とのコロボを楽しみたいものです。

しんしん(2012/04/14)

とても美しい城でした。内部の階段はとても急勾配でこの次は、きっともう登れないなと……駆け足の登城だったので、しっかり目に焼き付けておこうと、かえりに何度も振り返り見ましたが、どこから見ても周りの景観とマッチして素敵でした。

タクジロー(2012/04/17)

しんしん様
確かに、松本城は、何度訪れても美しくて見飽きないですね。
そして、北アルプスをはじめ、周囲の景観とのコラボが見事ですね。

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