平尾城への虎口土塁
南朝の千種忠顕の子孫・常陸介の居城、千種城の支城
所在地
三重県四日市市平尾町字新見
【アクセス】
東名阪自動車道を挟んで四日市中央工業高校の反対(北西)側約100mに小高い丘が2つあり、その間を道路が通っており、道路の北西側の丘が城跡。東側から北西へ廻ると城内への入口がある。
四日市中央工業高校:三重県四日市市菅原町678、電話059-326-3100
形状
平城(比高約7m)
現状・遺構等
【現状】 雑木林等
【遺構等】 曲輪、土塁、虎口、空堀
満足度
★★☆☆☆
訪城日
2011/02/27
歴史等
平尾城は、三滝川に沿って四日市から千種に至る街道からやや北方にあたり、南朝の千種忠顕の子孫・常陸介の居城とされ、千種城の支城と考えられる。
『日本城郭大系10より』
現況・登城記・感想等
平尾城址は、道路建設のため、南東部の土塁が一部削られているようだが、他はほぼ完存のようで、土塁、虎口、空堀などの遺構が良好に残っている。
あまり期待もしないでの登城だったので、得した気分になったが、多くの廃材やゴミなどが捨てられていたのが残念。
また、遺構がよく残っているだけに、碑か説明板を設置してほしいところだ。
(2011/02/27登城して)
ギャラリー
平尾城縄張略図
城の縄張は、北側に二重の土塁を構え、その南に南北約15m×東西約50mの細長い郭を造り、そのまた南に南北約40m×東西約50mのほぼ方形の主郭を造っている。
遠景
四日市市街方面から県道625号線を北へ進み、東名阪自動車道をくぐり、最初の道を右へ曲がると正面向こうの方に道路を挟んで2つの丘が見える。その左側の丘が平尾城跡である。
①城跡入口
上写真の道路を進み、2つの丘の間を通り過ぎて50mほど進み、左折して城跡北側へ廻ると竹藪があり、その西端辺りに写真のような入口がある。道路端に駐車した。
②虎口土塁
竹藪の中を入って行くと、正面に虎口の土塁が見えてくる。虎口へは右折して入っていくことになる。
③虎口と空堀
虎口両側土塁手前には空堀(写真右側)が掘られている。
④空堀
虎口左(東)側の空堀も良好に残っているが、切出した竹が放りっぱなしになっているのが残念。
⑤主郭北側の郭
写真左側が主郭北側の郭で、その左側に空堀と主郭をめぐる土塁が見える。右側の土塁は虎口の西側の土塁で、その右には空堀が掘られている。
⑥主郭への虎口
主郭との間は土塁と空堀で区切られ、中央部に虎口がある。
⑦主郭と北側郭間の土塁と空堀
土塁と空堀が鮮明に残っている。中央部(虎口横)の空堀に架かる朽ちた廃材?の下には井戸?。日本城郭大系には、井戸跡が細長い郭(北側の郭)に2箇所、郭外に1箇所あるとあったが、これがその内の一つであろうか? 尚、他の井戸は気が付かなかった。
⑧主郭
⑨主郭中央北部の土塁
主郭周囲は土塁が巡っており、中央北部(北郭からの虎口西側)から主郭を東西に一部区切るような土塁が南へ突き出ている。また、この辺りの土塁は、他の部分よりかなり高く2m強ある。
⑩主郭南側の搦手虎口
主郭には南側にも虎口があるが、搦手だろう。虎口の外側は、道路が通っている。尚、ここからは入城できない。