丹波 上野城(京丹波町)

二郭と三郭間の堀切

須知城を本城とした須知氏一族の居館か?

所在地

京都府船井郡京丹波町上野字中垣内
【アクセス】
国道9号「須知」信号を右折して県道80号で東進し、大円寺を過ぎて大きく右カーブし池を越えた路地を右折し道なりに右にカーブした右手の林が城跡。
右カーブの先の左側に消防団の建物があるが、ここを過ぎて斜め右手の路地に入り、集落内でさらに右に曲がると二郭下へ出る。ここに駐車スペースがある。
また、集落内で右に曲がらないで、道なりに登って行くと主郭上に出、ここから入城することもできる。この場合、駐車は、少し先の左手に空き地(大円寺の所有地)があるのでそこに駐車できる。
大円寺:上野字寺奥1番地

形状

平山城

現状・遺構等

【現状】 山林
【遺構等】 郭、土塁、堀切、土橋、須知景基説明碑

満足度

★★★☆☆

訪城日

2011/04/23

歴史等

上野城は、築城年代や築城者については定かでなく、「丹波誌」上野の項には「山崎加賀守の古城・屋敷跡あり」とあり、その子孫として山崎勝右衛門の名が記されている。
また、須知城を本城とした須知氏一族の居館との説もあり、上野城址主郭下の郭内の五輪塔脇の説明碑には「須知景基 泰山景基大居士 大治5年(1130)2月歿 六条判官為義に従い遠州周智郡より丹州舟井郡追分村に移り追分村を須知村に改め在中の丘須知城に拠る」とあった。

現況・登城記・感想等

上野城は、標高482mの美女山の北西麓に延びる支尾根先端部に築かれた梯郭式と連郭式が組み合された縄張の平山城である。
最高所の主郭は露岩が頂上部を取り巻き、主郭の三方を一段低い二郭が取り囲んでいる。
北西方面へ尾根が伸び、下り勾配に塁段に郭が構築されている。その先端部が今では何処になるのか明瞭ではないが、その全長は150mほどあったようだ。
その尾根を断ち切る堀切が、明確に確認できるものだけでも2箇所残っており、二郭と三郭間の堀切の深さは約5mほどもある迫力のあるもので、三郭と四郭の間の堀切には土橋が架かっている。また、三郭と四郭には分厚い土塁も良好に残っている。
上野集落のすぐ裏手にある僅か比高20mほどの雑木林の丘の中に、見応えのある遺構が、これほど良好に残っているとは思ってもいなかった。雨の中を、MっさんとN澤さんに付き合ってもらっての強行登城であったが大満足(*^_^*)。
(2011/04/23登城して)

ギャラリー

主郭
最高所の主郭は露岩が頂上部を取り巻いている。建物礎石に利用されていたのだろうか?
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二郭
主郭の三方を取り囲むように、塁段になった削平地が幾つも確認できる。二郭なのだろうが、この辺りはかなり改変されているようでよく分からなかった。また、土塁も確認できなかった。
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須知氏五輪塔
二郭の一つと思われる削平地に、五輪塔脇の説明碑には「須知景基 泰山景基大居士 大治5年(1130)2月歿 六条判官為義に従い遠州周智郡より丹州舟井郡追分村に移り追分村を須知村に改め在中の丘須知城に拠る」とあった。
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二郭と三郭間の堀切
二郭を北西方向へ下って行くと、大規模な堀切へ出る。写真左が二郭、右が三郭で、虎口がある。この堀切が、この城の最大の見どころだろう。TOP写真も同じ堀切である。
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三郭から堀切越しに二郭・主郭方面を
堀切の右底にいるMっさんを見てもらえば、この堀切が、かなり大規模なものであることが分かって戴けると思う。尚、二郭側には虎口がない。 
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虎口から三郭を
手前が虎口で右奥に土塁が見える。左奥は四郭との間の堀切。
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三郭
三郭を振り返って撮ったものである。二方に土塁が設けられている。
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三郭と四郭の間の堀切と土橋
三郭と四郭の間も堀切で断ち切られているが、こちらには土橋が設けられている。
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土橋両側の堀切
二郭と三郭間の堀切ほど深くはないが、こちらもかなり明瞭で見応えも充分だ。
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四郭
三郭と接する四郭の土塁はかなり分厚く、高さも右手前のN澤さんと較べてもらえば分かると思うが、郭内からでも2m以上はある。
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四郭北西部の堀切?
四郭(右)の先は道路になっているが、これも空堀跡のような気がする。道路の北西側(左)も郭跡のようで削平地に祠が祀られている。
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天然の堀
尾根の南西側は谷川のようになっており、城が天然の要害の地に築かれていたことが分かる。一方、尾根の反対側は、湿地帯であったようで、今では田園になっている。
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