一郭北西部の土塁
長久保城北方の謎の城、支城? or 攻城の為の陣城?
所在地
静岡県駿東郡長泉町南一色字北村
【行き方】
長久保城址(城山神社公園)或いはトイザラスから、国道246号線を北東へ約500m進むと、「南一色公会堂信号」がある。
そこを左折すると、すぐに突き当たるので、右折し道なりに進むと「宮脇橋」へ出る。その左手(西側)に見える丘陵が南一色城址である。
駐車場はないので、適当な空地に停めて下さい。
形状
丘城(平山城) 比高約20m
現状・遺構等
現状:畑地、墓地
遺構等:曲輪、土塁、虎口、堀切、竪堀
満足度
★★☆☆☆
訪城日
2009/06/27
歴史等
南一色(みなみいっしき)城の創建時期や築城者については、資料等何もなく、定かではないが、戦国時代に築かれたと思われる。
南方約1kmのところにある長久保城との関係が考えられ、長久保城の支城や砦といった説や、
長久保城に対抗して築かれた陣城との説等々があり、
今では後者の説が有力なようだが・・・?
現況・登城記・感想等
南一色城は、長久保城の北方約1kmにある丘陵
(舌状台地)に築かれた連郭式の平山城である。
発見されてから、まだそれほど長くなく、城に関する記録も見当たらないそうだ。
しかし、史料や伝承が豊富な長久保城の大部分が破壊されてしまっているのに対して、
南一色城は、曲輪跡の大部分が畑や墓地になってしまってはいるものの、城郭全体の情景や土塁、堀切、
虎口等の遺構が良好に残っているのは皮肉なものだ。
(2009/06/27登城して)
ギャラリー
城郭概略図(下手糞な自作)
城址全景
宮脇橋の上から撮ったものだが、見るからに城を築かれる為にあるような細長く伸びた舌状台地地形だ。
①三郭から二郭を
二郭も三郭も畑地として利用されている。二郭と三郭には結構な段差がある。二郭奥に一郭があるが、
一旦麓へ下りた。
②③一郭への登城口
一郭へは、上写真の二郭からも行けるが、直接登るには、㊧民家横の道を登って行くと、
㊨山の手前両側は切岸で切り立っており、堀切が見えてくる。
④一郭と外郭間の大堀切
上写真を登って来ると、この大規模な堀切の底へ出る。深さ約5mはあるだろう。左が一郭、右が外郭。
⑤-1竪堀
上写真堀切の西端は竪堀となって麓へ落ちていっている。
⑤一郭へ登る
堀切の中央辺りから一郭へ登るカーブした堀底道がある。
⑥虎口
上写真を登ると、虎口へ出る。㊧は、虎口から一郭を見たもの。㊨は、一郭内から、虎口を。
虎口の向こうには外郭が見える。
⑦一郭北西部の土塁
一郭は畑地になっているが、周囲を囲む土塁が見事に残っている。土塁の高さは2m弱ではあるが、
なかなかのものだ。写真右奥が虎口。
⑧一郭と北東部の土塁
一郭を取り囲む土塁は、北側(虎口両側)は幅も広く、やや高い。
⑨一郭東側の土塁
土塁の外側は、急崖になり麓まで落ちている。
⑩㊧堀切?と土塁? ⑪㊨竪堀?
㊧一郭の南には二郭(写真左側)があるが、その間は藪で覆われていたが、やや低くなっているようだった。
往時は、堀切で区切られていたのだろうか?また、低いが、僅かに土塁跡らしい形跡も見られる?㊨また、堀切?の東西両端は、
藪ではっきりとは確認出来なかったが、竪堀が麓へと続いているような感じだったが・・・?
⑫外郭
外郭は南北に長く、100m以上あるのでは?また、段差は大した事はないが、三段に分かれていた。
外郭も墓地部分を除いて、ほとんどが畑地として利用されている。