荒れ果てた模擬天守
川中島合戦時に武田方の旭山城の向城として上杉方が築いた山城
所在地
長野県長野市長野1612
【アクセス】
善光寺の背後の大峰山の山頂部にあり、「大峰斎場」が近くににあるのでナビで所在地住所を指定して七曲りとも言えるような坂道を登って行くと、大峰斎場まで300mほどのところで二股に分かれるが、そこを右の道路へ向かう。道路はかなり荒れてはいるが、どんどん登って行くと模擬天守のすぐ下(模擬城門前)の駐車場に到着する。城門をくぐって荒れ果てた石段を登って行くと模擬天守下に到着する。
所要時間
今回の見学時間は15分ほどでした。
形状
山城(標高882m、比高370m)
現状・遺構等
【現状】大峰山公園
【遺構等】模擬天守、模擬城門、模擬石垣、曲輪、土塁、堀切
満足度
★☆☆☆☆
訪城日
2023/10/19
歴史等
大峰城は武田方の旭山城の向城として上杉方が築いた山城で、葛山城主落合備中守の家臣大峰蔵人の城といわれ、築城時は明確ではありませんが、天文年間初期と思われます。
天文22年(1553)から5回にわたる川中島合戦では、武田氏、上杉氏双方にとって重要な拠点であったため、最前線の突破口として、また守備陣地として重要であったため、幾度か争奪戦が行われた。
川中島の戦い終結後、善光寺平一帯は武田方の支配下となり、大峰城も武田方のものとなりました。
現況・登城記・感想等
大峰城跡は、かつては1962年に長野市が観光促進のために建てられた4階建ての鉄筋コンクリート製の模擬天守風展望台が建てられ、1981年には1、2階が「チョウと自然の博物館」としても利用され国内外から約3千種もの蝶の標本が集められ、3階が城の歴史紹介コーナー、4階が展望台となっていてたそうで、善光寺や長野市街方面の景観が眺められたそうです。
勿論、山麓にある善光寺周辺からも模擬天守がよく見えたそうです。
しかし、1985年に地附山の地すべり災害により戸隠バードラインの一部が廃道となり、アクセスが悪くなったため来場者数が激減したのと建物の老朽化に伴い2001年に博物館閉鎖が決定、標本の受け入れ先が見つからないまま、2007年に博物館は閉鎖となったが、建物の解体費用が億単位に上るため解体できず、今では模擬天守や模擬城門が残っているものの荒れ果て、草木に覆われてしまっています。
そんなわけで、山頂部は、いつ熊やイノシシに出逢っても不思議ではない雰囲気で、勿論、熊ベルと熊除けスプレー持参です。
尤も、それでも家内は模擬城門から模擬天守までの荒れ果てた石段道を登るのを嫌がっていましたがネ(苦笑)。
城跡では熊にも会わなかったけど、人間にも全く逢いませんでした(笑)。
尚、城の遺構としては模擬天守の裏側に草木に覆われていましたが深い堀切が確認できました。土塁も残っているそうですが、強烈な藪が邪魔をして確認できませんでした(;>_<;)。
また、山頂部は風もなく、誰一人居なかったので、久し振りに熊除けスプレーの噴射を試したら、使用期限が過ぎたためでしょう。以前は8mほど唐辛子の粉が飛んだのに、3~4mほどしか飛びませんでした。
元々、説明書には熊が2~3mほどに近づいてから噴射するようにとなってましたが、いよいよ直ぐ近くまで待つ必要があるようですが、そんな勇気があるかなあ(苦笑)。
(2023/10/19登城して)