羽後 本堂城(美郷町、旧千畑町)

本堂城内館北東隅の土塁と堀跡

内館周囲をめぐる内堀が完存する戦国時代の本堂氏の平城

所在地

秋田県仙北郡美郷町(千畑町)本堂城回字館間
【アクセス】
払田柵歴史公園の南側を通る県道50号線を公園総合案内所前から1.2kmほど東進し、左折して農道を1kmほど北上すろとT字路になります。そこを左折して200mほど西進したところの細い路地へ右折し200~300mほど北上すると右手に本堂城跡の内堀跡があります。車は、道路の広めのところに駐車させてもらいました。
払田柵歴史公園:大仙市払田仲谷地95、電話0187-69-2397

所要時間

今回の見学時間は約20分

形状

平城

現状・遺構等

【現状】 畑、野原
【遺構等】 曲輪、土塁、横堀、石碑、標柱、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2015/10/26

歴史等

本堂城は、天文年間に本堂氏によって築かれた。 本堂氏は、陸奥和賀郡の和賀氏の一族といわれ、南北朝時代の観応年間(1350~52)に和賀薩摩守が戦功の賞としてこの地方を与えられ、その後、和賀家から独立して「本堂」を名乗るようになったと云われる。
天文4年(1535)、本堂氏は勢力拡張に伴い平城の本堂城を築き、山城の元本堂城(美郷町浪花)から移った。
戦国時代、本堂氏は義親-頼親-朝親-忠親-茂親と5代にわたって続き、天正18年(1590)、本堂忠親は豊臣秀吉の小田原征伐に参陣し、同年9月には上杉景勝の臣藤田能登守信吉の検地に協力し、本領安堵されている。
忠親の跡を継いだ茂親は、関ヶ原合戦で徳川方につき、戦後の慶長7年(1602)に常陸国志筑に移され本堂城は廃城となった。
本堂氏の子孫は江戸幕府の交代寄合として幕末まで存続した。
『「現地説明板」、「日本城郭大系2」他参照』

歴史等

本堂城は内館を取り囲むように外館を配した輪郭式の城です。内館の規模は、内堀部分も含めると東西約170m、南北約190mもの広大な敷地を誇ります。
現在、内館内は野原や畑地となっていますが、その周囲には幅10mほどもある堀が完存し、北東隅には鍵型に高さ4mほどの土塁の一部が残っています。
登城前は戦国時代の平城なので、これほどまでに遺構が良好に残るとは想像だにしていなかったので感激ものです。
尚、外館部分は水田や宅地になっていますが、東から南にかけての水田下から外堀の一部が確認されたそうです。
(2015/10/26登城して)

ギャラリー

本堂城縄張り(現地説明板より)
本堂城は内館を取り囲むように外館を配した輪郭式の城です。
本堂城縄張図

【内館】
内館の規模は、内堀部分も含めると東西約170m、南北約190mもの広大な敷地を誇ります。現在、内館内は野原や畑地となっています。当写真は、西にある西門跡から入城して内館の北東方面を撮ったもので、奥の方にかすかに土塁が見えます。
内館

【土塁】
本堂城の土塁は、往時は内館の周囲をめぐっていたのかもしれませんが、現在では北東隅の土塁が残っているだけです。土塁の前には大木が聳え、その前に藁人形のようなのが・・・。
IMG_9728

なまはげ?
大木の手前に「なまはげ」のような大きな藁人形が・・・。「なまはげ」といえば、男鹿半島のものですが、一緒に登城した秋田県出身のT橋氏によると、これはこの地方に昔から伝わる「子宝祈願」に関するもののようです。そういえば「●ん●こ」の前にお札のようなのが・・・。
なまはげ

土塁をアップ
土塁は高さ4m、幅も4mほどあり、鍵型に残っています。
北東隅土塁

土塁を外側から
土塁は、堀底からは5mほどあります。
北東隅土塁を外側から

【内堀】
内館の周囲をめぐる幅10mもある堀は完存してます。戦国時代の平城で、これほど見事に残る堀跡を見るのは初めてかもしれません。ただ、堀の深さは2m弱ほどとかなり浅く、恐らく往時は水堀か泥田堀だったのでしょう。
内館北側の堀
北東隅の堀の中から撮ったもので、左側は北東隅の土塁になります。
北側空堀

内館東側の堀
写真やや右奥に見えるのが北東隅の土塁で、右の道路のさらに右側は外館跡で、現在は広大な水田が広がっています。
東側空堀

内館南側の堀
南東部から撮ったものです。堀の外側(写真左)は外館跡ですが、現在は住宅地になっています。
南側空堀

内館西側の堀
南西部から撮ったものです。この堀の外側(写真左)も外館跡ですが、この辺りは特に住宅が建て込んでいます。
西側空堀

【城門跡】
内館への虎口(城門跡)は、南側の正門と東西に2つの門の合計3つありますが、門の手前に土橋が架けられていますが、いずれも門跡に枡形などは残っていません。元々なのか、破壊されたのかは分かりません。
正門跡
正門跡

東門跡
東門跡

西門跡
西門跡

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