村上城出櫓から本丸にかけての高石垣
国人領主本庄氏三代の城を徳川氏譜代大名堀直竒が増改築した近世の城
所在地
村上市本町字臥牛山
【アクセス】
村上市内では有名な城なので、「村上市本町」を目指して行けばすぐ分かると思います。
国道7号線「新町交差点」を西へ入り800mほど進んだ突き当りを左(南)へ曲がり、100mほど進んだ交差路を左(南東)へ曲がり300mほど進むと登城口の一文字門跡へ出ます。付近に駐車スペースがあります。
所要時間
山麓の登城口「一文字門跡」から本丸まで約20分、今回の見学総時間は1時間10分(含中世村上城の一部)
形状
平山城(標高135m)
現状・遺構等
【現状】 国指定史跡
【遺構等】 曲輪、空堀、土塁、石垣、虎口、井戸、石碑、説明板ほか
満足度
★★★★☆
訪城日
2015/10/24
歴史等
村上城は標高135mの臥牛山を中心に広がり、築城年代は16世紀初頭と推定される。城主は国人領主の本庄時長であり、以降、房長・繁長と戦国期三代にわたる居城となる。
江戸期の元和4年(1618)には、徳川譜代の堀直竒(なおより)が10万石で入封し、縄張りを行い、山上の曲輪を拡張し、石垣を築くなど、それまでの中世的な城を近代城郭へと変貌させた。総構えの規模は、南北1.4km、東西2.3km。山上は本丸、二の丸及び三の丸から成り、西側山麓には城主居館が配され、東側には大小の曲輪が設けられていた。
慶安2年(1649)、譜代の松平直矩(なおのり)15万石で入封すると、家臣数の増加に伴い、再び城と城下の改築に着手する。現存する石垣の多くが、この時積み替えられたものと推定される。
村上城は、地形を巧みに利用した戦国期の遺構と、新潟県最大規模の江戸期の石垣とが共存していることが他に類を見ない最大の特徴であり、中世と近世の両方の遺構を散策することができる。
『現地説明板より』
現況・登城記・感想等
村上城は、近世城郭でそれなりに遺構が残っている城で唯一登城していない城でした。
というのは、村上市は新潟県で最も北端ににある上、高速道路が繋がっていないこともありますが、家内がかねてから村上には自分も訪れたいということもあり、なかなか登城することが出来なかったのです。ここにきて、それほどでもなくなったようなので、今回、やっと登城することが出来ました(*^_^*)。
村上城は、山上の城と山麓の居館から成っていますが、居館部分は公園となり、特に遺構は残っていないようです。
一方、山城部分は、さすが近世城郭と感じさせる高石垣や枡形虎口などをはじめとする遺構群は見応えがあります。
また、本丸からの眺望は素晴らしく、天気の良い時には佐渡島も見えるそうです。
尚、山麓の登城口(一文字門跡)からの登城道「七曲り」は、意外にも結構きつい坂道でした( ̄ー ̄;。
(2015/10/24登城して)
ギャラリー
登城口(一文字門跡)
村上城西麓の一文字門跡が登城口になり、山上の城へは、ここから七曲り坂を登って行きます。道は、よく整備され、比較的なだらかな道ですが、結構きついです。
居館跡
一文字門跡脇から北へ向かう広い公園が城主居館跡で、居館跡南端に「城主居館跡」の標柱が立っています。往時は、三層の櫓や二層の櫓三基があったそうですが、今では遺構は何も残っていないようでしたので、廻りませんでしたが・・・?
石垣が見えて来ます
一文字跡から、よく整備された七曲りの坂道を8~9分ほど登って来ると右手前方に石垣が見えて来ます。写真左前方が四ツ門跡です。
四ツ門跡
四ツ門は、山麓の居館方面、三ノ丸方面、二ノ丸方面、井戸への道への四つの門を持つ特異な建物だったようです。当写真でいうと、手前が居館へ、門から入り、左へ向かうと三の丸、右へ向かうと二の丸へ、奥へ真っ直ぐ行くと中世村上城(井戸有)方面へ向かうようになっています。
中世散策コース
四ツ門跡から入城すると、前方に「中世散策コース」の案内板が立っています。堀氏時代以前の本庄氏時代の城を廻ることができます。
三の丸跡
四ツ門から入城して、すぐ左手が三の丸跡ですが、修築中のようで立入禁止になってました。
二の丸方面へ向かう
まずは本丸を目指して、二の丸方面へ向かうと、左手前に縄張図付きの説明板があります。
御鐘門跡
二の丸虎口である御鐘門の虎口跡の石垣です。しっかりした桝形虎口が堅固な印象を与えます。
御鐘門跡枡形(二の丸内から撮影)
枡形虎口の石垣というのは、何処もかっこいいですね。
二の丸跡
二の丸跡は、発掘調査或いは修築中でブルーシートが・・・。奥の方に出櫓と本丸の石垣が見えます。
出櫓~本丸にかけての石垣
さすが、近世城郭です。急斜面にせり出してくる高石垣は、戦艦のような迫力がありかっこいいですね。
黒門跡
出櫓と本丸石垣の境目脇に黒門跡があります。
本丸東面の石垣
高い所では、高さ7mほどあります。
埋門跡
本丸東面の石垣に沿って歩いて行くと、左手に埋門跡があります。ここを下りて行くと「中世散策コース」として整備され、「中世村上城跡」を見学できますが、まだまだこの季節は藪がひどくて大変でした。
本丸虎口(冠木門跡)
本丸を守る最後の門です。
冠木門礎石
巨大石
大坂城をはじめ、多くの城の虎口石垣には巨大石が使用されていますが、当城も本丸虎口石垣の中に巨大石が使用されています。
本丸虎口(本丸内から撮影)
外桝型と内枡形を組み合わせたコの字の虎口になっておりUターンしないと入れないようになっており、防御の固さを感じさせます。
本丸
本丸虎口から入り、その脇から撮ったものです。東面から南面にかけては石塁がめぐり、西面は急崖になっています。右奥に見えるのは天守台です。
天守台
天守台からの眺望
眼下には村上市の街並み、その向こうには日本海が見える素晴らしい景色で、天気の良い日には佐渡島まで見えるのだそうですが、あいにくの曇空(/。ヽ)。
本丸南面石垣
左手前上が天守跡です。
本丸西面石垣
長く延びる高石垣がかっこいいですね。
本丸北面石垣