遠江 長者屋敷(磐田市)

北西部隅の土塁と内堀

土塁と空堀が良好に残る奈良時代の官衙(役所)跡?

所在地

静岡県磐田市寺谷2236
【アクセス】
寺谷浄水場のすぐ東。寺谷浄水場を目標に行くと、各所に「長者屋敷」の案内板が立っているのですぐ分かると思います。公園入口に2~3台ほど停めることができる駐車場があります。
寺谷浄水場:磐田市寺谷2258、電話0538-38-1271

所要時間

今回の見学時間は20分でした。

現状・遺構等

【現状】 史跡公園(静岡県指定史跡)
【遺構等】 曲輪、土塁、空堀、石碑、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2014/05/15

歴史等

この地には古くから土塁の存在が知られており、「長者屋敷」という字名(あざな)がつけられていたことから、地域の有力者の館(屋敷)の跡ではないかと考えられていました。
昭和44年に発掘調査が行われ、土塁の内側から大型の建物跡や土器が発見され、奈良時代初め頃の官衙(役所)のような遺跡であることが分かりました。
『現地説明板より」

現況・登城記・感想等

長者屋敷跡は、曲輪周囲をめぐる土塁と空堀が良好に残り、土塁上を歩いて一周することができます。
土塁は、高さ約3mで、東西約100m、南北約80mのほぼ長方形に曲輪を囲んでいます。
そして、普通、城郭は防御のために、土塁外側に空堀が設けられているものですが、ここでは何故か、土塁内側には空堀が設けられています。但し、南側だけは、土塁の内外両側に空堀が設けられています。
土塁の南西隅は幅が広くなっていますが、これは古墳の高まりが利用されているのだそうです。
また、曲輪内への虎口は南側中央と北東隅にあります。
尚、発掘調査で土塁の内側に建物跡が発見されたそうですが、藪に埋もれているためか、礎石や建物表示などは確認できませんでした。
訪れる前には、これほど良好な遺跡とは想像もしていなかっただけにラッキーでした。
(2014/05/15訪れて)

ギャラリー

長者屋敷の図(現地説明板より)
高さ約3mの土塁が、東西約100m、南北約80mのほぼ長方形に曲輪を囲み、土塁内側には空堀が設けられています。但し、南側だけは、土塁の内外両側に空堀が設けられています。
IMG_9043

長者屋敷跡全景(北西から) ~現地説明板の写真より~
長者屋敷全景

公園入口の石碑
公園入口に駐車場があり、その脇に「県指定史跡 長者屋敷跡」と刻まれた碑が立っています。
案内板と石碑

前方に土塁が
公園内に入って行くと左前方に土塁が見えます。正面が南西隅になります。
公園入口から土塁を

南西隅の土塁から曲輪内を
南西隅の土塁に登ると、その内側に空堀が見え、その奥に曲輪が広がっています。南西隅のこの土塁は少し広くなっていますが、説明板によると古墳の高まりを利用したものだそうです。
南西隅土塁

南西隅の土塁と空堀
南西隅土塁と空堀

西側の空堀(北西隅の堀底にて撮影)
西側空堀

南側の土塁と外堀
空堀は、土塁の内側に設けられていますが、南側だけは外側にも設けられています。
南側土塁と外堀

南側中央の虎口
虎口は南側中央と北東隅にあります。
南側虎口

北東隅の虎口
北東虎口

曲輪内
曲輪内で大型建物跡が発見されたそうですが、藪のためか、礎石や建物表示などは見付かりませんでした。曲輪内には、ベンチがおかれています。
曲輪内

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