本郭と北郭間の堀切と北郭に再現された櫓
今川氏築城の有事の際の山城、今川氏滅亡後は武田氏のものに
所在地
静岡市清水区蒲原
【アクセス】
新蒲原駅から北へ善福寺方面に登って行く途中に搦手登城口があり駐車場もあります。
善福寺：静岡市清水区蒲原３８１７－４、電話０５４－３８５－３６７１
形状
山城
現状・遺構等
現状：城山公園
遺構等：再現櫓（３基）、再現逆茂木、曲輪、土塁、石垣、空堀、石碑、説明板
満足度
★★★☆☆
訪城日
２００７／０７／３１
歴史等
蒲原城は蒲原丘陵から孤立した城山層を要塞化した山城で、築城時期は室町時代の前期の頃か。
築城者は今川氏が駿河守護として入国した後、その一族によって築城したものと思われる。
文献上には特定の城主はなく、戦乱の折、城代・城番が置かれた。永享１３年（１４４１）正月における牟禮但馬守範里、天文１３年（１５４４）から同１４年にかけての飯尾豊前守、永禄４年（１５６１）の佐竹又七郎、同雅楽助、永禄１２年（１５６９）１月今川氏の盟友・関東北条方の北条真三郎が守城の折、本郭を大改築したが、同年１２月６日武田氏の攻撃にあい落城、蒲原城は武田方に移った。
その後、天正１０年（１５８２）２月徳川勢による落城まで武田氏の治下にあって当地の土豪、地侍による「蒲原衆」を編成しこの地を治めたが、天正１８年（１５９０）３月の秀吉による小田原征伐の折に徳川勢の着陣を最後に廃城となった。
『現地説明板より』
現況・登城記・感想等
搦手口から登城すると、いきなり大空堀の標柱が現れます。藪がすごくてほとんど見えませんが、相当な深さがあるのは想像できます。
そこから少し登っていくと、北曲輪（善福寺曲輪）下の腰曲輪に出ます。そこは発掘調査がされたらしく土がむき出しになっており、低いものの周囲が土塁で囲まれており、石垣もかなり残っています。
さらに少し登っていくと北曲輪に出ます。北曲輪の周囲も土塁で囲まれ、逆茂木、木柵、櫓３基が再現され、戦国時代の城の雰囲気を醸し出しています。
本郭南曲輪との間は大堀切で断ち切られ、ここが本郭を守る最後の砦であるのがよく分かります。
曇り勝ちの天気でしたが、ここからの眺望が見事なのはよく分かります。東南方面は真下に蒲原の町とその向こうに駿河湾が拡がります。
一方、東方面から北西にかけては高い連山が望め、これらの山の向こうから武田軍が侵入してきたんだなあ！などと感慨に耽って、しばらくそれらの景色に魅入ってしまいました。
そこから、さらに最頂部へ登って行くと「本郭南曲輪」の大きな表示があり、そこには城址碑や鳥居が建っています。社殿もあり、その奥へ行くと先程の大堀切を挟んで、北曲輪がすぐ真下に見下ろせます。
蒲原城は、有事の際の城としては、かなりしっかりと築城されていたようです。そして又、よく整備されています。町の方々に本当に感謝です。
（２００７／０７／３１登城して）
ギャラリー
蒲原城鳥瞰図（現地案内板より） 
蒲原城全景と搦手登城口
車でかなり上まで登っていくことができ、搦手側から登城します。写真左側の道を進んで行きます。 
大空堀
歩きはじめると、いきなり大空堀の標柱が現れますが藪がすごくてよく見えませんが、草の間から覗くと、かなり深い空堀があるのが想像できます。 
【北曲輪下の帯曲輪】
土塁と石垣
発掘調査がされたらしく土がむき出しになっており、低いものの、周りを土塁で囲まれており、石垣もかなり残っています。 
石垣は、ここから北曲輪へ登る途中にも散見されます。 
【北曲輪（善福寺曲輪）】
北曲輪の周りも土塁で囲まれ、逆茂木、木柵、櫓３基が再現されており、戦国時代の城の雰囲気を醸し出しています。そして本郭南曲輪との間には見事な堀切があり、ここが本郭を守る最後の砦であるのがよく分かります。
北曲輪と本郭との間の大堀切 
本郭と北曲輪間を断ち切る大堀切
上写真左の堀切です。 
北曲輪上にて
正面の一段高い所が本郭南曲輪 
北曲輪東側には逆茂木が
北側は低い土塁、東側は逆茂木が再現されてます。 
【北曲輪からの眺望】
北東方面
東から北西方面にかけては高い連山が望め、これらの山の向こうから武田軍が侵入してきたんだなあ！などと感慨に耽っていました。 
東南方面
東南方面には蒲原の町とその向こうに駿河湾が拡がります。 
【本郭南曲輪】 
本郭南曲輪から大堀切越しに北曲輪を 
