伊勢 家所城(津市美里町)

主郭虎口と主郭周囲を巡る土塁

国人領主長野氏一族の家所氏の居城、信長の伊勢侵攻により廃城に

読み方

いえどこじょう(住所は「いえどころ」と読むが、城名は「いえどこじょう」らしい)

所在地

三重県津市美里町家所、明顕寺の北東の裏山が城跡
明顕寺:家所2241、電話059-279-3159
【アクセス】
県道411号「辰水小学校北信号」を400m程南進すると、左手に家所城の説明板がある。この説明板を過ぎて最初の路地を左折し、明顕寺を過ぎて少し行くと左手奥に家所城の案内板が見える。この案内板の奥が城跡。

所要時間

今回の見学時間は35分ほどでした。

形状

平山城(標高114m、比高36m)

現状・遺構等

【現状】:山林
【遺構等】曲輪、土塁、空堀、石垣、井戸、櫓台、説明板、概略絵図付き案内板、遺構案内板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2008/05/06

歴史等

家所城は、貞治元年(1362)に家所祐歳によって築かれた。
家所祐歳は長野城主工藤氏祐の第三子で、この地方の24ケ村を領地したという。
その後、8代の間(200年間)よく栄えたが、織田信長の伊勢侵攻により、敗れ、城も荒廃した。
『現地説明板より』

現況・登城記・感想等

明顕寺のすぐ裏(北東)にある小高い山が家所城跡で、登城口(南側)にある案内板に大雑把な絵図が載っている。
そこから、少し登ると主郭虎口(大手門跡)へ出るが、ここには1~2段ではあるが石垣が残り、そのすぐ脇に多くの「つぶて石」が散乱している。
虎口(大手門)から入ったところが主郭であるが、周囲を2m近い高さの土塁が巡っている。
主郭北中央には櫓台であろうか、高い土塁がある。石段で登るようになっているが、往時のものであろうか?土塁上には祠が祀られている。
その土塁横には「抜け穴跡」の案内板があり石組みの穴があるが、果たして何処まで本当なのか?・・・。その隣のやや高くなっている土塁は 「見張り番」となっている。主郭には井戸跡もある。
この城の最大の見所は空堀だろう。主郭の東側には空堀が明瞭に残っているが、こんな小さな城館では想像できないほど大保ぼなもので、深さ8m以上はあるのではないだろうか。降りて行って何枚も写真を撮った。
堀の東側も曲輪跡のようだったが、全く整備されていないようで、腰の調子も考え、今回は入って行くのは止めた。
主郭西側にも同じくらい大規模な空堀が残っているが、木々が鬱蒼と生えており、腰痛が治り切っておらず、降りて行くのは諦めた。主郭上から写真は撮ったもののほとんど分からないような状態だ。
家所城跡は規模は小さいが、見所も多く、主郭に関しては、よく整備され、案内板もしっかりしていて散策しやすく有り難かった。
(2008/05/06登城して)

ギャラリー

家所城の絵図(現地登城口の案内板より)
登城口(南側)にある案内板に大雑把な絵図が載っている。矢印の通り、西側の空堀へ行こうとしたが、鬱蒼とした雑木林に阻まれて通って行くことは不可能だった。矢印の意味が分からなかった。
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家所城址全景
家所城のこの小高い山は、孤立した山で守るに良い地形を利用していると説明板にはあったが、周りを囲まれたら脱出に困るのでは?DSC08985

登城口
山麓に大雑把な絵図(2段上の絵図)が載っている案内板があり、その後ろから登城する。手前の平坦地は侍屋敷跡のようだ。
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登城
案内板の後ろから登って行くと、真上に虎口らしき形状地が見え、そこに大手門跡の案内板が設置されているのが見えてくる。
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主郭虎口(大手門跡)
登城口から少し登ると主郭虎口(大手門跡)へ出るが、ここには1~2段であるが石垣が残っている。
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つぶて
主郭虎口脇の土塁下には一部は埋もれているが「つぶて石」が散乱していた。当時は、「つぶて」も大きな武器としていたのがよく分かる。
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主郭 
虎口(大手門)を入ると、周りを2m近い高さの土塁が巡る主郭へ出る
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大手門跡から本丸周囲を巡る土塁を
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井戸跡
大手門を入ってすぐの所に井戸跡が残っている。
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櫓台?
主郭北中央には櫓台であろうか、高い土塁がある。石段で登るようになっているが、往時のものであろうか。尚、土塁上には祠が祀られている。
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「抜け穴」と「見張り台」
櫓台と思われる土塁の東側には、「抜け穴(写真中央)」と「見張り台(抜け穴奥の土塁)」が。
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抜け穴
抜け穴は石積みで組まれている。家所城は孤立した山であり、確かに脱出時の抜け穴は必要であったろうが、果たして、どこまで本当なのだろうか?
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見張り台
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主郭東側の空堀(主郭上から撮影)
この城の最大の見所は空堀であろう。主郭の東側には空堀が明瞭に残っているが、その規模の大きさは感動ものである。深さ8m以上はあるであろう。
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主郭東側の空堀(堀底にて撮影)
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主郭西側の空堀(主郭西側土塁上から撮影)
主郭西側にも同じくらい大規模な空堀が残っているが、木々が鬱蒼と生えており、腰痛が治り切っておらず、降りて行くのは諦めた。主郭上から写真は撮ったもののほとんど分からないような状態だ。考えてみたら、ここは山麓の案内板を見て最初に行ったが雑木林に阻まれて入って行くのを諦めた空堀だった。
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