アルルの旧市街への入口「カヴァルリ門」
古代ローマ時代に栄えたプロヴァンス屈指の城塞都市
フランス語名
Arles
所在地
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏ブーシュ=デュ=ローヌ県アルル郡
訪城日
2011/06/14
歴史等
アルルは紀元前6世紀頃ギリシア人によって創設された。
そして、紀元前123年にローマ人が町を占領し、紀元前104年に地中海に繋がる運河を建設し、街を拡張して重要な都市としたが、同じ海岸沿いのマッサリア(現マルセイユ)に圧迫されていた。
カエサルがポンペイウスと対峙した時、アルルはカエサルの側に付き、軍隊を派遣した。一方、マッサリアはポンペイウスを支援した。そして、カエサルが勝利すると、アルルは報償として、マッサリアの地を得、正式にローマの植民地となった。
4~5世紀には、軍事遠征の際のローマ皇帝のための本部として頻繁に使用され、街はピークをむかえた。コンスタンティヌス3世は、ここで西ローマ帝国の西部の皇帝になることを宣言し、408年にここを都とした。
8世紀には、この地域を支配したイスラム教徒のサラセン人や、フランク人の侵入によって大きく影響を受けた。
そして、855年フランク人の都アルル王国が造られた。
1032年、王国は神聖ローマ皇帝コンラート2世に継承された。
その後、アルルはローヌ地方の主要な港として、経済的に長い間影響力を残したが、19世紀の鉄道の開通により、水運による貿易が壊滅し、街は衰退していった。
『ウィキペディアより』
現況・登城記・感想等
アルルは、古代ローマ時代にはプロヴァンス屈指の大城塞都市として繁栄した。今では、街の周囲を囲む城壁や城門などのほとんどが取り壊されてしまっているが、市内の随所に往時の遺跡が残っている。
残念ながら、旅行社主催のツアー参加の身の上で、自由時間が少なく、見ることが出来たのは、「円形闘技場(但し、外側だけ)」と「古代劇場」、そして僅かに残る中世の「カヴァルリ門と城壁」など僅かだ。
また、アルルと言えば、日本人の多くは、やはり「ゴッホ」だろう。ゴッホが晩年過ごした町として有名で、「ゴッホの跳ね橋」、「カフェ・ヴァン・ゴッグ」、「エスパス・ヴァン・ゴッホ」等々、ゴッホにまつわる観光名所も多い。
(2011/06/14訪れて)
ギャラリー
カヴァルリ門と城壁
アルル旧市街の北部にあり、アルル駅から来ると街への入口になる。この門と城壁は中世以降に建造されたものである。自由時間(僅か30分)の解散と集合場所が市庁舎だったので、ここまで大急ぎで歩いたが、少し迷ってしまい10分ほど掛かってしまったため、肝心のローマ時代の城壁や円形闘技場場内を見る時間がなくなってしまった(;>_<;)。
【ローマ時代の遺跡】
円形闘技場 (Les Arènes)
カヴァルリ門から南へ真っ直ぐ歩いて来ると、この円形闘技場へ突き当たる。古代ローマ時代の円形劇場、円形競技場などアンフィテアトルムの一つで、1世紀末頃に建造された。当時は3層構造で2万人を収容できたとされるが、現存するのは2層のみで、最上層は失われている。現在でも闘牛や各種イベントに使われている。。
闘技場内への入口
時間が少なくなった上、チケット売り場に結構並んでいたので、諦めて外から中を覗いたが、僅かに観客席が見えただけ(/。ヽ)。
古代劇場(Théâtre Antique)
古代劇場は、円形闘技場のすぐ南西にある。ここもチケットを買って入るほどの時間がなく、通りから撮影。従って、右に見える本来2本の円柱が角度の関係で1本に見える(/。ヽ)。紀元前1世紀に作られた劇場跡で、中世には採石場とされた後に要塞に転用されたが、19世紀に現在の形に復元された。17世紀にここから発掘された「アルルのヴィーナス」像は、現在ルーヴル美術館に収蔵されている。
夏の庭園から見る古代劇場跡
【ゴッホにまつわる所】
アルルはゴッホが晩年過ごした町としても有名だ。南仏の明るい太陽を求め、1888年2月にアルルにやってきたゴッホは翌年の5月まで滞在し、代表作「跳ね橋」、「夜のカフェ・テラス」など200点以上もの作品を制作している。今でもそれら絵画に描かれた風景が、アルル近郊のあちこちに見ることができる。
エスパス・ヴァン・ゴッホ(Espace Van Gogh)
ゴッホが1889年に精神病の発作でたびたび入院した市立病院。今は図書館、資料館などがあるカルチャーセンターとして使われている。この庭は、ゴッホの作品「療養所の中庭」で、よく知られている
カフェ・ヴァン・ゴッホ(Cafe Van Gogh)とゴッホの像
ゴッホの「夜のカフェテラス」のモデルになったカフェで、フォーロム広場前で「カフェ・ヴァン・ゴッホ」 という名前で今でも営業している。また、広場にはゴッホ像も立っている。
「耳なしゴッホ」の像
夏の庭園にある。背後には、古代劇場が見える。
ゴッホの跳ね橋
この跳ね橋はゴッホが描いたものを復元したもので、ゴッホの絵のモデルとなった跳ね橋は、戦災で消失したそうで、この橋は場所を変えて復元したものだそうだ。しかし、周囲の何とものどかな田園風景が、ゴッホが描いた頃の想像を掻き立ててくれるようで、私自身はすっかり気に入った。おまけに、アルルの観光名所であるにも関わらず、土産物屋や売店などがないのが、これまたgood(*^_^*)。