エンナ(シチリア州エンナ県)

城塞都市エンナ遠景

シチリア島の中央に位置し「シチリアのへそ」と呼ばれる天空の城塞都市

イタリア語名

Enna

所在地

シチリア州エンナ県エンナ

歴史等

エンナの町の歴史は古く、シチリアの原住民「シカーニ族」の集落として村が形成され、「ヘンナ」と呼ばれて、「デーメーテール(Dēmētēr)祭祀」によく似た祭祀が執り行われてきた。
ギリシャ植民時代にはシラクーサやカルタゴから狙われたが、自治都市としての独立を守り通した。
しかし、その後はローマ支配下に置かれ、BC2世紀、その圧政に耐えかねた奴隷の反乱を引き起こしている。エンナの最も高い場所(町の東端)に建つロンバルディア城は奴隷軍の本拠地であった。
続くビザンチン帝国の統治は緩やかなのものであった。
その後、859年にアラブ人に征服されたが、難攻不落の砦という地理的条件から、アラブ人は町を陥落させるのに20年間かかっている。
このアラブ治世下で、町は大いなる繁栄を謳歌したが、11世紀にノルマン人に征服された。
『「現地購入誌・芸術と歴史の島 シチリア」、「シチリアへ行きたい(新潮社刊)」、「地球の歩き方・南イタリアとマルタ」参照』


デーメーテール
ギリシア神話で、大地の実り、とりわけ麦の豊穣をつかさどる女神。古代ローマではケレスと同一視された。アテナイ(アテネ)など多くの地方では、豊作を祈って10月から11月にかけて、婦人だけが関与するものとして有名な「テスモフォリア」の祭りが両女神の神域で催された。

現況・登城記・感想等

シチリア島のほぼ中央に位置する「シチリアのへそ(L'ombelico di Sicilia)」とも呼ばれるエンナは、標高948mの山の上に位置し、イタリアで最も標高が高い県庁所在地でもあります。
天然の要害地にあり、町の東端には周辺の穀倉地帯を睥睨するかのように穀物神デーメーテール(ケレス)を祀った神域は、ローマ時代に反乱を起こした奴隷軍の本拠地(ロンバルディア城)でもあります。
ロンバルディア城は、アラブ人、ノルマン人の要塞跡にアラゴン家フェデリコ2世が建て、フェデリコ3世が改造したもので、かつては20を超える塔が聳えていたそうですが、現在は6つが残るだけだそうです。
エンナは、今回のツアー予定にはありませんでしたが、高速A19号線でカターニャからパレルモへ向かい1時間ほどすると、前方遥か向こうの山頂部に都市「エンナ」城塞が見えて来ました。嬉しいことにエンナの4kmほど手前のサービスエリアで休憩タイムがとられ、如何にも難攻不落の城塞都市「エンナ」の全体像の写真を撮ることができました。
勿論、ロンバルディア城へも登城したい所ですが、団体ツアーの身の上としては、これだけでもラッキーと思うしかありませんね(/。ヽ)。
(2016/05/16)

ギャラリー

エンナ(左)とカラシベッタ
高速A19号線でカターニャからパレルモへ向かい1時間ほどすると前方山頂上に天然の要害のエンナの町が見えて来ました。エンナの北(写真右奥)にも城塞都市のような町「カラシベッタ」が見えます。
エンナとカラベシッタ

エンナ ~画面をクリックにて拡大~
「エンナ」には「ロンバルディア城」が建っているはずなのですが、かなり遠いので、よく分かりませんでしたが、最頂部に見える城壁や塔がそれのようです。
エンナ

ロンバルディア城をズームアップ
IMG_0723

カラシベッタ
カラベシッタは、エンナが発達するうえで新たに築かれた出城のような町なのでしょうか?
カラベシッタ

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