騎士団長の宮殿のネプチューンの中庭
聖ヨハネ(マルタ)騎士団長の公邸であり、騎士団長が騎士団を統率した宮殿
英語名
Grand Masters Palace
訪城日
2016/05/18
歴史等
騎士団長の宮殿は聖ヨハネ騎士団の中枢で、騎士団長の公邸であり、騎士団長がここから騎士団を統率したといいます。
騎士団長の宮殿は、騎士団長ピエトロ・デル・モンテの命で、聖ヨハネ大聖堂も設計した建築家ジェラーロモ・カッサールの意匠により建設され、1547年完成しました。
1階には、兵舎、厨房、家畜小屋、倉庫などがあり、2階は、大広間や会議室、騎士団長の執務室などが設けられ「貴族の階(ピアノ・ノビレ、piano nobile」と呼ばれていました。
長きにわたり繁栄を謳歌していた聖ヨハネ(マルタ)騎士団ですが、次第に規律は乱れ、騎士団の力は衰退していきました。
そして、1798年にはナポレオン率いるフランス軍の占領によって、騎士団はマルタ島を追われました。
ナポレオンの没落後、マルタはイギリス支配下におかれ、騎士団長の宮殿はイギリス総督官邸となりました。
そして、マルタ共和国独立後には、大統領府と議会がおかれています。
現況・登城記・感想等
騎士団長の宮殿は、リパブリック通りの中央辺りのパレス広場に面した幅83mもある大きな建物ですが、宮殿というには何とも地味な外観です。
現在は大統領府と議会がおかれているため、公開されているのは2階のいくつかの部屋とネプチューンの中庭を囲む廊下のみですが、シンプルな外観からは想像できないほど豪華な内装で、天井画、絵画、タペストリーから色大理石の床に至るまで見事なもので、芸術・美術に造形の深い人にはたまらないことでしょう。
(2016/05/18登城して)
ギャラリー
騎士団長の宮殿外観
騎士団長の宮殿は、リパブリック通りの中央辺りのパレス広場に面しており、幅83mもある大きな建物ですが、宮殿というには何とも地味な外観です。
入城
正面入口(上写真中央)から入城し、まずは中庭へ・・・。
ネプチューンの中庭
宮殿内部には二つの中庭があり、最初に出るのが大きい方の中庭で「ネプチューンの庭」と呼ばれネプチューン像が。100年ほど前は実際に水飲み場として騎士団が利用していた場所で、噴水があり時計塔もあります。
【宮殿内】
宮殿は、現在は大統領府と議会がおかれているため、公開されているのは2階のいくつかの部屋とネプチューンの中庭を囲む廊下のみですが、シンプルな外観からは想像できないほど豪華な内装で、天井画、壁画、絵画、タペストリーから色大理石の床に至るまで見事なもので、芸術・美術に造形の深い人にはたまらないことでしょう。
兵器庫への通路
宮殿中央にある、この兵器庫への廊下には、通常はかっこいい甲冑が居並んでいるらしいのですが、残念ながら修復中のようで・・・(;>_<;)。
小姓の控室
大使の間
別名「赤の間」といわれ、ダマスコ織の赤いタペストリーが飾られ、マルタ製の家具が置かれています。
最高審議の間
壁画が12のフリーズで分割され、1565年のオスマン帝国による大包囲戦が描かれています。
騎士団長の玉座
騎士団長は最高審議の間の角の玉座に座っていたといわれます。
マルタ攻囲戦の欄間絵
廊下
廊下の天井画が見事です。
紋章
床の大理石も見事で、聖ヨハネ騎士団に参加している貴族などの家の紋章なども・・・。