バルセロナの城壁

バルセロナ旧市街地に残る古代ローマ時代の城壁

スペイン語名

La Pared del Castillo de Barcelona

所在地

カタルーニャ州バルセロナ県バルセロナ

訪城日

2009/03/31

歴史・現況・感想等

伝説によれば、ハンニバルの父であるハミルカル・バルカが、カルタゴ人都市であるバルシーノを建設したという。
そして、紀元元年直前、古代ローマ植民者(皇帝アウグストゥス) がコルセローラ山脈に守られたリュブラガット川とベソス川に挟まれた土地に都市建設をした。
ローマ人の都市計画の名残は、今も残るローマ時代の城壁の破片に見ることができる。
城壁は、高さが9m、厚さが約4mで、広さ約10haの八角形の街を囲んでいたという。そして、 その城壁は数十本の四角い搭によって補強され、現在もその一部が残っている。
たとえば、ゴシック地区にあるノーヴァ広場の前に建つ半円形の2本の搭である。ここはバルシーノへの主要道の市門が開いていた場所で、 この2本の搭は、市門の両側を固めていた搭である。その搭の下から3分の1は、ローマ時代の石積みである。
この2つの搭のノヴァ広場から見て左側の搭から大聖堂(カテドラル)前の広場まで続く助祭長館(アルセディアーノ)は、 ほぼ10m間隔で建つローマ時代の搭3本と城壁をそのまま活用して建てられた中世建築だという。
さらに、城壁は大聖堂前広場で切断されたあと、助祭長館の向かいに1400年に建てられた司教座聖堂参事会館(ラ・カノンジャ) の基底部へと続いている。      他にも、旧市街地には、多くの城壁や搭が残り、中世建築に見事に活用されている。
このようにバルセロナのゴシック地区の通りには、様々な時代の堆積物が層を成し組み合わされた建築物があり、現代の建築物と、 ある種の調和を生み出していて、それらを見ながら楽しく散策できる。
(2009/03/31訪れて)

ギャラリー

ノヴァ広場前の搭
バルシーノへの主要道の市門が開いていた場所に建つこの2本の搭は、市門の両側を固めていた搭である。 その搭の下から3分の1は、ローマ時代の石積みである。現在、1つは修理中であった。(2009/03/31現在)

城壁①
ノヴァ広場から見て左側の搭から大聖堂(カテドラル)前の広場まで続く助祭長館(アルセディアーノ)は、 ほぼ10m間隔で建つローマ時代の搭3本と城壁をそのまま活用して建てられた中世建築だという。表紙写真も同じもの。

城壁②
さらに、城壁は大聖堂(写真中央の尖搭の建物)前広場で切断されたあと、 1400年に建てられた司教座聖堂参事会館(ラ・カノンジャ)の基底部へと続いている。

旧市街地の城壁
旧市街地には、他にも多くの城壁や搭が残り、中世建築に見事に活用されている。ゴシック地区の通りには、 様々な時代の堆積物が層を成し組み合わされた建築物があり、現代の建築物と、ある種の調和を生み出していて、 それらを見ながら楽しく散策できる。尚、右写真の左には王の広場(Plaça del Rei)がある。
 

トップページへ このページの先頭へ

コメント

この記事へのコメント

名前

メールアドレス

URL

コメント