ゲディミナス城(ヴィリニュス市)

山麓の新武器庫と旧武器庫の間からゲディミナス城を望む

リトアニア語名

Gedimino pilis

所在地

Arsenalo g. 5, Vilnius, Lietuvos

形状

丘城

訪城日

2015/06/21、06/22

歴史等

ゲディミナス大公が13世紀から14世紀初頭にかけて丘の上に城を築き、トラカイからヴィリニュスに遷都しました。城は、遅くとも1323年までには完成したようです。
1419年の火災後、後のヴィータウタス大公が城を再建し、要塞化しました。それは、3基の塔を備えた石造りの城壁に囲まれ、城内には3階建てのゴシック様式の大公公邸と聖マーチン礼拝堂などがありました。
城郭は、1655年まで敵の攻撃に持ち堪えてきましたが、北方戦争で破壊され、その後再建されることはありませんでした。
19世紀初頭、帝政ロシアによりその大部分が破壊され、現在は監視塔として使われていたゲディミナス塔(西塔)、四角形の南塔下部、城壁の一部だけが残っています。

【ヴィリニュス創設の伝説】
ある日、ゲディミナス大公は、当時の都であった「トラカイ」からヴィリニャ川とネリス川に挟まれた谷へ狩にやってきた。しかし、オーロックス(牛の一種)を追いかけている途中、森の中で迷ってしまい、疲れた大公は丘(現在のケディミナスの丘)の麓で眠ってしまった。
その夜、彼は不思議な夢を見た。それは丘の上に立ち、大きく吠える鉄の鎧を着けたオオカミの夢だった。祭司のリズデイカはその夢を神の信託と判断し、喜んだ大公はその丘に城を築き、その地を新都とし、ヴィリニャ川にちなんでヴィリニュスと名付けた。人々の間で語り継がれてきたヴィリニュス創設の伝説である。
『「現地購入誌・ヴィリニュス&トラカイ」、「「地球の歩き方・バルトの国々15’16’」他参照』

現況・登城記・感想等

ゲディミナス城とは、かつてあったヴィリニュス城のうち、13世紀にゲディミナス大公がトラカイからヴィリニュスに遷都した際に、丘の上に最初に建てた「上の城」を指し、ヴィリニュス旧市街の北東部、ネリス川とヴィリニャ川の合流する地にあります。
ゲディミナスの丘は、木々がほとんど取り払われ、全面に芝生が張られており、山頂部に残る塔や城壁の一部が、山麓からもよく見えます。
塔と城壁は石積みの土台の上に赤レンガで造られ、西塔は八角形のゴシック調の建築ですが、いずれも廃墟然とした姿がかっこいいです。
山頂部からは、360度のパノラマが広がり、美しいヴィリニュスの町が一望のもとに見渡せます。
尚、山頂へは、ケーブルカーでも徒歩でも登ることができます。

ギャラリー

ヴィリニュス旧市街MAP(現地購入誌より) ~画面をクリックにて拡大~
ゲディミナス城は、ヴィリニュス旧市街の北東部、ネリス川とヴィリニャ川の合流する地にあります。
01ヴィリニュスMAP

ゲディミナス城全景(城の北を流れるネリス川越しに撮影)
ゲディミナス城のある丘は木々がほとんど取り払われ、山頂に残る塔や城壁がよく見えます。山麓のクリーム色の建物は新武器庫(現国立博物館)です。
01ケディミナス城全景

新武器庫跡
新武器庫跡は、現在、国立
博物館になっています。背後の丘の上にゲディミナスの塔が見えます。
05新武器庫

新武器庫跡と旧武器庫跡の間からゲディミナス城を
ゲディミナス城の上に登るケーブルカーの駅は、新武器庫跡と旧武器庫跡の間から入れます。
07武器庫の間からケディミナス城を

ゲディミナスの丘へ登るケーブルカー
ケーブルカーはAM10:00からですが、早朝7時だったので、徒歩で登れる道を捜すことにしました。尤も、後程ツアーでケーブルカーでも登ることになりましたが・・・。
ケーブルカー

旧武器庫跡
新武器庫がクリーム色の壁なのに対して、旧武器庫は白色です。武器庫の前には、狭いですが濠跡らしき跡があります。尚、旧武器庫は、現在、工芸博物館や美術館になっています。
09旧武器庫

旧武器庫脇からゲディミナス城を望む
ゲディミナス城へは、旧武器庫の東側に登城口があります。
11武器庫裏からゲディミナス城を城を

登城道
登城道は、よく整備された石畳の道になっています。山頂部には南塔下部が見えます。
13登城道

北門跡と塔
登城道を少し登ると、前方上に八角形の西塔も見えて来ます。
15城壁と塔

南塔下部と城壁
そして、いよいよ石積みと赤レンガで造られた城壁と建物跡(南塔下部)が頭上に・・・。廃墟然とした姿が何とも魅力的です。
17城壁

北門跡(南塔下部脇から見下ろす)
「現地購入誌・ヴィリニュス&トラカイ」によると、「ゲディミナス塔(西塔)のそばには、城壁の一部(南側に約10m、北側に約22m)と四角形の南塔下部、北門が残っている」とありますが、写真の部分が北門に当ると思われます。城門(虎口)というのは洋の東西を問わず、複雑に曲がりくねって入城するようになっていますね。

北門跡

旧武器庫とヴィリニャ川とネリス川の合流点を見下ろす
登って来た道を見下ろすと、北門跡の下の方に旧武器庫が見え、ヴィリュニス命名伝説のヴィリニャ川とネリス川を見下ろすことが出来ます。
18川の合流点を

ゲディミナス塔
山頂には、かつてあった3基の塔の中で唯一残る西塔(今はゲディミナス塔と呼ばれる)が建っています。ゴシック調のレンガ造りのこの八角形の塔は、現在は、ヴィリニュス城博物館として公開され、屋上は展望台になっています。塔の上には、リトアニアの国旗が掲揚されています。

ゲディミナス塔

南塔の下部
ゲディミナス塔の前から撮ったものですが、廃墟然とした姿がかっこいいです。背後の山は「3つの十字架の丘」です。
21城壁

【ケディミナスの丘からの眺望】
360度のパノラマが広がり、美しいヴィリニュスの町が一望のもとに見渡せます。
南方面
ゲディミナスの南から南西にかけてはヴィリニュス旧市街の美しい街並みが見えます。
31眺望

南西方面(眼下にはリトアニア大公宮殿)
33王宮ほか

北西方面(眼下には新武器庫)
北西方面は、眼下に新武器庫跡を見下ろし、その向こうにはネリス川と新市街が見渡せます。
35新武器庫ほか

北東方面
北東方面は、眼下に旧武器庫、その向こうにネリス川が見えます。
37旧武器庫を

北門跡と井戸跡
ゲディミナス城へは、城の南西(リトアニア大公宮殿脇)から登る道もあります。下山は、その道を下りました。すると、山腹に何らかの遺構らしきものがありました。井戸かも・・・?
DSC08640

井戸跡
想像通り、井戸跡でした。濁ってはいるものの、今も湧き出ていました。
43井戸

リトアニア大公宮殿とその背後にゲディミナス城
再建されたリトアニア大公宮殿です。再建作業は2002年に始まり、2013年7月6日に正式にオープンし、一部は博物館として公開されています。
51王宮とケディミナス城

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