ヴェニツィア時代の邸宅を利用したシベニク市立博物館
アドリア海東岸でクロアチア最古の城塞都市
クロアチア語名
Šibenik
所在地
クロアチア・クニン郡シベニク市
形状
城塞都市
歴史等
シベニクはクロアチア・ダルマチア地方の中央、クルカ川がアドリア海に流れ込む河口に位置し、天然の良港として栄えた歴史的な町である。
他のダルマチアの町と違い、イリリア人、ギリシャ人、古代ローマ人が建設した町で、アドリア海東岸ではクロアチア最古の町である。
「シベニク」という名前が文献に初めて登場するのは、1066年のクロアチア王、ペトロ・ウラジミール4世の時代であるが、既に9世紀頃には砦が築かれ、アドリア海の要衝として発展したといわれている。
1298年、シベニクは「町」の地位と独自の司教区を与えられ、以来、クロアチア人が定住するまでの長い間、居住された。
他のダルマチアの都市のように、シベニクは、1412年までヴェネツィア共和国に抵抗した。
15世紀の終わりには、オスマン帝国によりを脅かされたが征服されるには至らなかった。
16世紀には聖ニコラスの要塞が建築され17世紀までには、聖ヨハネとシュビチェフ(Šubićeva)要塞によって、シベニクの要塞化がなされた。
1797年のヴェネツィア共和国の滅亡によって、シベニクはハプスブルク帝国の支配下におかれた。
第一次世界大戦後は、ユーゴスラビア王国の一部となり、第二次世界大戦の間、イタリアファシスト政権とナチスに占領された。
戦後は、1990年のクロアチア共和国の独立まで、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国 の一部であった。
『ウィキペディア・シベニク他より』
現況・登城記・感想等
シベニクへ来る前の休憩地で目に砂か何かが入ったらしくて、痛くてたまらず、目を開けるのさえ困難な状態で、シベニクの町の中を歩くのがやっとの状態でした(/。ヽ)。
というわけで、添乗員について旧市街を中を廻るのがやっとで、城の遺構としては、僅かに残る旧市街の城壁の一部を見ただけで、町の背後の山に残るシュビチェフ要塞は勿論、旧市街北部の聖ミカエル要塞も見ることができなかった。痛恨の極みです(/。ヽ)。
(2013/04/19訪れて)
ギャラリー
クルカ川沿いの通り
長距離バスターミナルは旧市街の南東にある。ターミナルからは、港(クルカ川)沿いに歩いて旧市街へ向かう。旧市街に沿った港(クルカ川沿い)の通りには、カフェやレストランが並んでいる。写真左奥に聖ヤコブ大聖堂のドームが見える。
シベニク市立博物館
クルカ川沿いの通りを進んで行くと、シベニク市立博物館前に出る。当博物館はヴェネツィア時代の邸宅を利用したもので、往時は町の周囲を囲んでいた城壁の一部でもあり、これが現在残る唯一の城壁である。
城壁と大砲
邸宅(博物館)の前には大砲が2門。博物館の壁は、がっちりしており、城壁でもあったのがよく分かる。
また、その脇には石柱などの遺構がゴロゴロ転がって(置かれて)いる。
旧市街への城門
博物館脇にある城門から旧市街へと入って行く。この城門が唯一残る城門らしい。
大聖堂外壁の市民の顔の彫刻
城門をくぐり、旧市街へと入って行くと、左前方に人頭の像がいっぱい w(*゚o゚*)w。聖ヤコブ大聖堂外壁の市民の顔の彫刻である。外壁には71人の老若男女、いろいろな表情の顔の彫刻がある。普通は、王侯貴族であったり、街の有力者の場合が多いが、ここはちょっと変わっていますね。
レプブリカ広場
そして、聖ヤコブ大聖堂と市庁舎(写真右)の間のレプブリカ広場へ出る。市庁舎は、ルネッサンス様式の建物ですが、役所の1階が店舗というのも珍しいですね。
聖ヤコブ大聖堂北側の入口
市庁舎の対面は聖ヤコブ大聖堂の北面になる。この北側の入口は、「ライオンのドア」と呼ばれており、アダムとイブやライオンの像が彫られている。尚、この扉にはいくつもの銃弾痕があるが、内戦時のものだそうです。
屋根には天使像が
屋根はルネッサンス様式の半球体になっている。
聖ヤコブ大聖堂正面から北面にかけて
聖ヤコブ大聖堂は、13世紀に建設の話が持ち上がり、1431年に着工して1535年に完成するまで100年以上掛かったとのことで、当然、建設を指揮する責任者も何人も入れ替わり、ゴシック様式でスタートしたものが途中でルネサンス様式に変更されたようである。100%石材のみで建てられた大聖堂として珍しく、その建築技術の高さから、2000年に「シベニクのヤコブ大聖堂」として世界遺産に指定された。1991年には、大聖堂の屋根の組み合わされた石の平板が、セルビア軍の爆撃により損傷を受けたが、現在は従前の姿に修復されている。。
大聖堂内
100%石の建造物なので、屋根裏スペースがなく、天井も外から見るのと同じ形である。石造りなので華麗さはないが、重厚な雰囲気が漂っている。
洗礼室の天井の装飾
洗礼室の天井の装飾は、天使や聖人の像が精巧に彫られており、聖ヤコブ大聖堂の最大の見どころといわれている。
恥の柱
レプブリカ広場の東側に「恥の柱」というのがある。写真中央の柱が恥の柱で、罪人がこの柱に縛り付けられて、見せしめにされたらしい。
聖イヴァン教会
レプブリカ広場から、少し東へ向かって歩くと、「聖イヴァン教会」がある。15世紀に建立されたもので、シベニクで最古の教会だそうだ。