上野 磯部城(安中市)

馬出し曲輪から二の丸を見上げる

鎌倉御家人・佐々木盛綱の城、戦国期に武田氏・後北条氏により改修か?

所在地

群馬県安中市鷺宮新地城山(磯部城址公園)
【行き方】
国道18号線「磯部入口信号」を南へ入り、県道194号線を1kmほど南進し「磯部信号」を左折し、 県道48号線に入り800mほど東進した信号を右折し、600mほど南進するとJR踏切へ出る。踏切を渡り、 さらに500mほど道なりに進むと、左手に「磯辺城址・城山公園入口」の案内板があり、その細い路地を入って行くと城山公園の駐車場がある。

形状

平山城(標高250m)

現状・遺構等

現状:城山公園
遺構等:曲輪、土塁、櫓台、堀切、空堀、土橋、石積み?、遺構案内板、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2009/02/08

歴史等

【歴史】
この磯部城は、正治3年(1201)4月の頃に、鎌倉御家人の佐々木盛綱入道西倉の旧跡と伝えられているが、城址をみれば、 鎌倉初頭のものでないことは明らかで、おそらく武田信玄が永禄5年(1562)頃築いたもので、 東500mにある文殊寺の砦はのろし台跡であろう。
【構造】
磯部城址は標高250mの山城で完全な遺構を残している。頂上には本丸・二の丸が西東に並び三の丸はその南側にある。 本丸と二の丸は堀切で区別され土橋で連絡されている。その堀切の余土は西側に盛られて高さ2mの高土居になっているので、 西の郭が本丸と考えられている。
『現地説明板より』

現況・登城記・感想等

磯部城址は公園化されてはいるが、曲輪・土塁・空堀・土橋等々遺構は良好に残っている。
城郭の規模は小さく、また土塁や空堀の規模も小さいが、弁当でも持参して楽しく散策するのにはGOOD!。
ただ今日は、本丸搦手付近は吹きッさらしで、写真を撮っているときに崖下に吹き飛ばされそうになるほどの強烈な風 (冗談抜きで台風並みの強風だった)で、「さすがは、上州の空っ風だ~!」と妙なところで感心?勿論、 こんな日は家族連れでなどと言ってられないが・・・(苦笑)。
この城の歴史は、不明な点が多いが、城郭を見てみると、箕輪城主・ 長野業政が死去した後、武田信玄が西上州を制圧し、この城も改修し、更には武田氏滅亡後に後北条氏が接収し、 改修の手が加えられたのではと考えられる。
(2009/02/08登城して)

ギャラリー

縄張略図(現地説明板より)

登城口
城址公園には駐車場があり、そこに縄張図付きの説明板が設置されている。登城には「城山公園」 の石碑横の道を登って行く。

コース分岐
登城口から少し進むと、「本丸(南回り)」と「本丸・二の丸・三の丸」の分岐点へと出る。 後者が大手道のようで、こちらからの登城がお薦めである。

三の丸南西の空堀
大手道の右手には横堀が見えてくる。この堀は三の丸周囲を巡っているようだ。

馬出しの南西下から続く空堀
左手には、結構見応えのある空堀があるが、この堀は本丸下の腰曲輪・ 馬出し間に切られた堀切から続くもののようで、横堀のように見えるが、竪堀と言った方が正解なのかも?

三の丸への虎口
三の丸への虎口は喰違い虎口のように道が大きくカーブしており、右手前には三の丸の空堀があり、 虎口両側土塁が結構効いているようだ。

三の丸
三の丸は、「これでは建物も建てにくいのでは?」と思われるほど南側にかなり傾斜している。 もう少し削平しそうなものだが、かなり不完全な工事だ。

双馬出し
案内板に「双馬出し」となっていたが、ちょっとよく分からない・・・? 三の丸虎口に対しての出撃スペースと考えられますが、馬出というのはどうも納得がいかないが・・・?

⑤-2木橋
本丸下の腰曲輪には、途中に堀切が入っており、そこに写真のように木橋が復元されているが、 かなり朽ちている。渡ったけど、危険そうだった。まあ雰囲気は出てるよね?

二の丸虎口
二の丸の南下には空堀があり、三の丸から二の丸へは土橋・坂虎口で繋がっている。 虎口部分を睨むように監視の櫓台(写真右上)が配置されている。

空堀
櫓台下を南から東側を北方面へと巡っている。

二の丸
本丸の東側の曲輪で、東西30m×南北20mほど。北・東側には土塁が築かれており、東側土塁(写真奥) は物見平という案内板が立ち、さらに南部には櫓台がある。

物見平
二の丸の西側の土塁で、ここからは眺望がよい。この南(写真奥)には櫓台がある。

櫓台
櫓台の向こうには空堀越しに三の丸が見える。櫓台の先端に進み、下(空堀)を見ると、 それほど高くはないものの結構怖い!

本丸・ 二の丸間の堀切と土塁
本丸・二の丸間は堀切で断ち切られていたようだが、ほとんど埋まってしまい、二の丸との段差はほとんどない。 土塁の高さは2mほどだろう。

本丸
本丸跡は笹で覆われてしまっているが、道はある。

本丸南下の腰曲輪を本丸から見下ろす

本丸からの眺望
本丸搦手口辺りからの枯れ木を通しての眺望はよく、左に妙義山、右に雪化粧をした浅間山が望めた。ただ、 強烈な「上州名物空っ風」で吹き飛ばされそうだった。

搦手口
搦手口は坂虎口になっていたようだ。この辺りの強風は凄かった!!

石積み?
城郭の下の方に、こんな石積みのようなのを見つけたが往時のものだろうか?

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