伊勢 安濃城(津市安濃町)

本丸西側の二重空堀

長野氏一族の細野氏の城、信長の臣滝川一益による攻城でも落ちなかった

読み方

あのうじょう

所在地

三重県津市安濃町安濃字城山(阿由太神社)

所要時間

鳥居が建つ登城口から主郭跡に鎮座する阿由太神社まで約5分。今回の総見学時間は約45分でした。

形状

平山城(標高30~59m、比高約20m)

現状・遺構等

【現状】山林
【遺構等】曲輪、土塁、櫓台、空堀、土橋、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2008/05/06

歴史等

安濃城は、国人領主の長野氏一族である細野藤光が弘治年間(1555~1558)に築城し、その息子藤敦が城を拡張したと云われている。
永禄11年(1568)に織田信長の伊勢侵攻の際に信長の家臣滝川一益に攻められたが落城せず、信長の弟信包を養子に迎い入れることで和睦した。
しかし、天正8年(1580)、信包軍による2度目の侵攻により落城した。
その後、細野氏の子孫の一人は、江戸時代に京都室町の豪商荒木家となり、享保20年(1735)、荒木光品が故郷の阿由太神社へ大般若経を奉納した。
『現地説明板より』

現況・登城記・感想等

安濃城は、安濃地区の背後の標高30mから59mの丘陵上に築かれた城で、その規模は東西約450m、南北約350mあり、丘陵頂部の主郭から東に向かって、屋敷地と想定される複数の曲輪群がある。
山頂の阿由太神社の境内となっている主郭跡へは、雑木林と竹林の中、よく整備された登城道を5~6分ほどで到着する。
主郭は約50m四方の広さで、現在は阿由多神社の境内となっており、主郭周囲は土塁に囲まれている。西側と北側は二重空堀になっており、外側の空堀は非常に深く見応えがあり、降りて行きたかったが、先月来の腰痛が完治しているか心配だったので止めておいた(/。ヽ)。
また、南西隅には櫓跡が残っている。
主郭の東には虎口が設けられ、虎口の空堀に架かる土橋とそこから竹薮の中を奥(東)へと続く木漏れ日のあたる道が心地よかった。
(2008/05/06登城して)

ギャラリー

安濃城縄張図(現地説明板より) ~クリックにて拡大画面に~
安濃城縄張図

安濃城復元想像図(現地説明板より)
この想像図を見ると、かなり大規模な城郭であったのがよく分かる。
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登城口
阿由太神社への鳥居を潜って登城するが、鳥居の横に案内板が建っている。
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登城道
山頂の阿由太神社の境内となっている主郭跡へは、雑木林と竹林の中、よく整備された登城道を登って行くと鳥居が建つ神社入口に5~6分ほどで到着する。登城道脇竹藪の竹や竹の子は非常に太く、子供の胴体なみの太さのものもあった。
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主郭跡に鎮座する阿由太神社への入口
鳥居の奥のほうに、主郭に鎮座する阿由太神社の社殿が見える。 
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主郭を囲む土塁
写真の土塁は、西側から北西にかけてめぐる土塁。
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二重空堀
西側と北側は二重空堀になっている。写真は西側の土塁と空堀。左側の土塁左側が外側の空堀。
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外側の深い空堀
写真では見辛いが、外側の空堀は非常に深く見応えがある。降りて行きたかったが、先月来の腰痛が完治しているか心配だったので止めておいた。
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櫓台
本丸南西隅には櫓台が残り、柵で囲まれていた。手前の土塁は主郭西側の土塁。
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土橋
東側虎口には土橋が架かっている。両側の空堀も良好に残っている。
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土橋から奥(東)へと続く道
土橋とそこから竹薮の中を奥(東)へと続く木漏れ日のあたる道が心地よかった。
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東虎口(主郭外側から撮影)
上写真の道を東へと進み、振り返って主郭跡方面を見る。「木漏れ日の道の向こうに土橋と鳥居が建つ虎口」のこの光景もなかなかのものだ。
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曲輪跡(屋敷跡)
本丸の東側は雑木林と竹藪になっているが、屋敷跡地であろう。土塁に囲まれた曲輪群が残っている。写真では分かり辛いのが残念だ。
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コメント

荒木正勝(2016/09/14)

木村さん
ご無沙汰しています。
安濃城跡へ訪問を懐かしく拝見させていただきました。
「歴史」に出ています荒木光品は私の先祖3代目で、私は19代になります。

荒木正勝

タクジロー(2016/09/15)

荒木さん
大変ご無沙汰しております。
荒木光品氏の末裔とは凄いですね。
安濃城跡は、見応えのある遺構が良好に残っています。
是非、一度、登城してみて下さい。
また、近いうちにお会いしていろいろお話をお伺いしたいですね。

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