播磨 駒山城(上郡町)

登城道で出逢う「馬の蹄跡」と呼ばれる巨岩、この上を歩いて登城

赤松氏の本城「白旗城」の西方の防御のために築かれた出城

所在地

兵庫県赤穂郡上郡町山野里、井上
県道90号「上郡駅前」信号から400m程西進した「山野里」信号を右折し500mほど北上すると左手にスーパー(コープこうべ)がある。スーパーを過ぎてすぐを左折し、80m程西進すると登城口に突き当たる。登城口手前に、車1台ほど停めれるスペースがあるが、私はスーパーの駐車場を拝借した。
尚、山の東側から登るコースもある。

登城時間

登城口から本丸まで約30分

形状

山城(標高263m、比高230m)

現状・遺構等

【現状】 山林(町史跡)
【遺構等】 曲輪、土塁、石垣、空堀、土橋、井戸、遺構案内板、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2011/11/14

歴史等

駒山城の城主や築城年代については諸説があり、詳細については定かではないが、南北朝時代に赤松氏が築城したことに疑いの余地はないようである。
本城「白旗城」の西方の出城の一つとして築城し、建武3年(1336)の新田義貞の白旗城攻めに際して、有力な防衛第一線の役割を果たしたと推定される。
戦国時代の駒山城については詳しい史料が乏しいが、「赤松家播備作城記」に天文年間(1532~55)、安室五郎義長の子・安室五郎が幼少であったため、家臣・長船越中守が代官として城を守ったという記録が残る。
さらに下った天正5年(1577)には、小田・吉田・内海・片島の四氏が当城を攻めたものの、なかなか落城しなかったので、軍学に長じた苔縄村赤松浪人高見治部を頼んで、山伝いに当城に入り、白昼に火を放って落城させたという記録が残る。
天正年間(1573~92)の当地については、宇喜多直家が主に治めていたが、直家が毛利方から秀吉方(織田信長)に寝返ったのは、天正7年(1579)なので、天正5年頃は宇喜多氏側のものが在城し、攻め立てた四氏は秀吉方のものであったのではないだろうか。
『日本城郭大系12参照』

縄張

駒山城縄張略図(現地説明板より)
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駒山城は、千種川右岸にそびえる生駒山山頂に築かれている。山頂部は二つの峰からなり、東の峰に本丸、西の峰には二の丸が築かれた「一城別郭」の縄張りとなっていてる。
本丸の広さは22m×14mで、四方に石垣が組まれ、その石垣の残石が各所に残っている。
二の丸は5~6段の曲輪があり、帯曲輪も伴っている。また、石垣も一部確認できる。
両峰を繋ぐ低所には空堀や井戸があり、両曲輪間に土橋が設けられている。井戸のところには石垣も確認できる。

現況・登城記・感想等

駒山城へは、白旗城へ登城したあとで、かなり疲れていた上、時間的にも余裕がなかったので、登城するかどうか迷ったが、登城口を見ると簡単に登れそうな雰囲気?だったのでその気になって登り始めたが、なかなかどうして、結構な山登りであった。
南尾根伝いに登っていく登城道は、よく整備されている上、眺望もよく、気持ち良く歩けるが、所々に岩がむき出しになった箇所も・・・。
中でも、登り始めて10分ほどで現れる「馬の蹄跡」と呼ばれる巨岩や、本丸のすぐ下の巨岩は、1枚岩の上、勾配もきつく印象深い。
疲れ気味の私も大変だったが、往時の攻め手の兵隊さんは、もっと大変だっただろうね(笑)。
本丸と二の丸間の土橋や空堀等々、それなりに見どころも多い上、本丸や二の丸からは勿論、登城道からの眺望も良いし、ハイキングとしても楽しめる城跡だ。
(2011/11/14登城して)

ギャラリー

登城案内図(現地案内板より)
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駒山城跡全景
右奥の山が駒山城址。左手前の小山の尾根上をほぼ直線に登って行く。
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登城口
白旗城へ登城したあとで、かなり疲れていた上、時間的にも余裕がなかったので、登城するかどうか迷ったが、登城口を見ると簡単に登れそうな雰囲気?だったのでその気になって登り始めた。後で気が付いたが、説明板のすぐ脇に杖が用意されているくらいだから、そんなに楽なコースではないですよね(苦笑)。
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登城道
南尾根伝いに登っていく登城道の大半はハイキングコースとしてよく整備されている上、眺望もよく、気持ち良く歩けるが、所々に岩がむき出しになった箇所も・・・。
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山頂部の城跡を望む
10分ほど登ると、正面上に城跡が見えてくる。右奥の峰が本丸、左奥の峰が二の丸。中央やや左の巨岩は、馬の蹄跡。
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馬の蹄跡
登城口から10分ほどで、「馬の蹄跡」と呼ばれる巨岩が現れる(TOP写真参照)。礫岩(れきがん)の礫が抜けた穴があり、そう呼ばれる。
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馬の蹄の上からの眺望
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本丸を見上げる
馬の蹄から少し登ると本丸が見えてくる。
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本丸すぐ下の巨岩
後半はほとんどこうした岩だらけの登城道となる。雨天や雨天直後は滑りやすくて危険だろう。
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荷置岩
巨岩の上を登って行くと、途中、右手に「荷置岩」と呼ばれている岩がある。登城途中、一旦荷物をこの付近におろし、休憩をとった場所なのだろうか
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本丸へ
巨岩を登りきると、本丸はすぐそこ。階段を登って本丸へ向かう。
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本丸
階段を登ると本丸に到着。本丸の広さは22m×14mとかなり狭いが、北東方向には段曲輪が設けられ、北西部にも腰曲輪が設けられている。本丸の四方には石垣が組まれ、その石垣の残石が各所に残っている。。
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本丸北西腰曲輪下の石垣
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土橋と空堀
本丸と二の丸間の鞍部には、空堀があり土橋で繋いでいる。
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井戸と石垣
空堀の本丸側には井戸があり、石垣が構築されている。
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二の丸
二の丸は5~6段になった曲輪からなる。
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二の丸帯曲輪
二の丸には帯曲輪が設けられ、その段差の部分には石垣が確認できる。
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二の丸からの眺望
当城は、何処からも素晴らしい眺望が望めるが、二の丸からの眺望は特に良い。写真下部の尾根を登ってきたのだと感慨深いものがある(*^_^*)
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