トラカイ城(トラカイ)

ガルヴェ湖に浮かぶトラカイ城全景

ドイツ騎士団の侵略を防ぐために築かれた城、現在は復元され往時の姿が

リトアニア語名

Trakų salos pilis

所在地

Trakai, Lietuvos 電話+370 528 53946

形状

湖城

訪城日

2015/06/21

歴史等

トラカイは、ヴィリニュスに移る以前にリトアニア大公国の首都が置かれていた町です。
中世、トラカイは、政治と防衛の中心地で、1323年にヴィリニュスに遷都された後も、トラカイには長い間、大公公邸がありました。
トラカイ城は、14世紀後半にチュートン騎士団(ドイツ騎士団)の侵略を防ぐためにヴィタウス大公とキェストゥティス公によって築かれました。
1410年のジャルギリスの戦いで、チュートン騎士団(ドイツ騎士団)に勝利した後は、当城は防衛の役割を失い、大公の住居となりました。そして、そこでは外交官らが接待されたり、祝祭行事などが行われていました。
1430年にヴィタウス大公が死去すると、権力がポーランド側に移り、城は徐々に廃れ始め、一時、貴族の監獄としても使用され、17世紀半ばの北方戦争(1655~61)で崩壊してしまいました。
1961年から復元が始められ1987年に、ほぼ15世紀当時の姿を取り戻しました。
『「現地購入誌・ヴィリニュス&トラカイ」、「「地球の歩き方・バルトの国々15’16’」他参照』

現況・登城記・感想等

トラカイ城は、ガルヴェ湖に浮かぶ湖城で、対岸から眺めると、童話に出てきそうな可愛らしい城です。
尤も、実際には戦争のために造られているわけですから、城壁・堀切・跳ね橋・狭間(銃眼)などが設けられ、また二の丸にはギロチンが復元?されています(苦笑)。
城の縄張りは、日本の城でいうところの本丸と二の丸があり、その間を堀切で断ち切っています。
本丸は周囲を取り囲む城壁内に大公公邸が建てられ、二の丸は広場を城壁と建物が取り囲み、三角屋根の門塔と3基のとんがり帽子屋根の塔が建てられています。
大公公邸は、長方形の中庭を取り囲む三階建ての建物で、南西側には日本の城の天守閣に当たる6階建て高さ35mの主塔が建てられています。
公邸の内側には、各階に木製の回廊がめぐり、各部屋は展示室になっています。
二の丸を取り囲む建物にも回廊が設けられ、こちらも各部屋が展示室になっています。
トラカイ城は、規模は大きくはありませんが、それなりに見どころの多い城でした。
(2015/06/21登城して)

ギャラリー

トラカイMAP(現地購入誌より)
トラカイはガルヴェ湖、トトリシュキュウ湖、ルコス湖の3つの湖に囲まれた半島にあり、トラカイ城は、半島の北側、ガルヴェ湖に浮かぶ島に築かれた湖城です。
現在は、半島からカラウム島を経てトラカイ城へ橋が架けられ歩いて行くことができます。

トラカイMAP

ガルヴェ湖に浮かぶトラカイ城の遠景
バスを降りると、正面にガルヴェ湖に浮かぶトラカイ城が見えてきます。まるで、童話にも出てきそうな可愛らしい姿をしています。周囲を囲むガルヴェ湖には、多くのヨットやボートが浮かんでいます。
01遠景

トラカイ城へ向かう
トラカイ城へは、左手にトラカイ城を見ながら、東へ向かって行きます。
03遠景

半島の城(trakų pusiasalio pilis)
トラカイ城へ向かうべくカライム島へと架かる橋をを渡りますが、橋の右奥(南東方面)に「半島の城址」が見えます。15世紀初頭に100年以上かけて建設された城で、4haもの敷地を占める国内最大の城の一つだったそうです。
トラカイ半島城

ヴィタウス大公
カライム島に渡ると、そこに細長い像が立っています。トラカイ城を築いたヴィータウタス大公の像で、1994年に建てられたようです。 
ヴィタウス像か

トラカイ城正面
カライム島から、さらにもう一度橋を渡ってトラカイ城へ向かいます。正面は、三角形の屋根の正門を中央に配し、城壁の両側にとんがり帽子屋根の塔を構えています。
07城への橋

二の丸①
正門をくぐると二の丸へ出ます。二の丸は三角形で、城壁と建物に囲まれています。右奥には大公公邸が見えます。右手前の掘立小屋は、何かを展示するためのもののようです。日本の城なら、菊花展といったところでしょうね。
写真手前左側に入場券売場があります。入場券は3.48ユーロと、何とも中途半端な値段です(苦笑)

11二の丸と大公宮殿

二の丸②
二の丸の奥(北側)から二の丸を撮ったもので、正面奥が正門です。この南面の城壁にも回廊が設けられています。
15二の丸2

二の丸西面の建物
二の丸の建物内側には木製の回廊が設けられ、その回廊を伝って各部屋へ入ることができます。
13二の丸建物

ギロチン台
二の丸中央にはギロチン台が置かれ、多くの人が試していました。勿論、私も・・・(笑)。
17ギロチン

大公公邸
大公公邸は、四角形の中庭を取り囲む三階建ての建物で、南西側には日本の城の天守閣に当たる6階建て高さ35mの主塔が建てられています。
21大公公邸

本丸と二の丸を断ち切る堀切
本丸と二の丸間は、深い堀切で断ち切られています。
23堀切

大公公邸への入城門
主塔(天守閣)下の城門をくぐって大公公邸内へ向かいます。往時は、城門には入口を塞ぐ2枚の扉と落とし格子があったそうです。
天守閣

大公公邸への入城門とその手前の跳ね橋
城門手前も堀切のようになっており、そこには跳ね橋が架かっています。
跳ね橋

公邸中庭①
城門をくぐると、三階建ての大公公邸が取り巻く長方形の中庭へ出ます。公邸の内側には、各階に木製の回廊がめぐり、各部屋は展示室になっています。左棟の二階の部屋には大公が住んでいたと考えられ、右棟の二階には広間があったそうです。
現在、公邸の広間や中庭ではコンサートなどが開かれ、毎年7月末にはトラカイ芸術フェスティバルが開催されているそうです。

31中庭1

公邸中庭②
公邸中庭の奥から振り返って撮ったもので、中央上に主塔(天守閣)が見えます。
33中庭2

広間
天井の星型ヴォールトがかっこいいです。

広間

キビナイとトラカイ城のコラボ
トラカイには、肉まんに似たような、名物「キビナイ」というのがあるというので、試しに食べてみました。肉まんと同じようなアンをパイで包んだような食べ物で、肉まんより美味いかも。しかも、ビールにピッタリです。添乗員さんが、二人で一個で充分だというので家内と二人で一個だけにしましたが、二個頼むべきだったかも。今回のバルト三国の旅で、一番美味かったかも(苦笑)。
キビナイ

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