トゥライダ城(スィグルダ)

トゥライダ城本丸跡

リガのアルベルト僧正により築かれた赤レンガ造りの城

ラトビア語名

Turaidas Pils、Turaidas mūra pils

所在地

Turaidas iela 10, Sigulda, Siguldas pilsēta, LV-2150 Latvia 電話+371 67 971 402

形状

山城

現状

トゥライダ博物館保護区

歴史等

トゥライダ城は、リガのアルベルト僧正の命により、リーヴ人の王・カウボの木造の城が壊され、その跡へ築城されました。
築城は1214年から開始され、赤レンガの大規模な城が完成しました。 その後、トゥライダ城はバルト系諸部族やリーブ人がドイツ人を相手に戦いを繰り広げた歴史の舞台となり、16世紀まで防御構造の改良のために改築されていきました。
しかし、1776年、城内における不慮の火災により木造部分をはじめ一部が焼失しました。火災後、焼失した部分は放置され、次第に廃墟となっていきました。
『「現地説明板」、「Wikipedia Turaida Castle」、「地球の歩き方・バルトの国々15’16’」他参照』

現況・登城記・感想等

トゥライダ城跡は、トゥライダ博物館保護区の南へ半島状に突き出た断崖上にあります。
焼失後、遺棄されたそうですが、本丸の赤レンガ造りの居館や塔、城壁などの多くが良好に残り見応え満点です。日本の木造の城と違って、このへんが良いですネ(*^_^*)。
居館内や塔内は、1950年代に修復されて歴史資料館として公開されています。
また、塔に登ると、真下には本丸全体を見下ろすことができ、その向こうには「ラトビアのスイス(スイスとはイメージが違うような気もしますが・・・?)」と称される豊かな緑と渓谷が広がる景色が素晴らしいです。
(2015/06/23登城して)

ギャラリー

トゥライダ博物館保護区MAP(現地案内板より)
トゥライダ博物館保護区は42haの広さがあり、ラトビアの民謡をテーマにした公園や木工職人の工房などがあります。 また、この場所では9世紀からの様々なイベントが開催されています。「トゥライダ」という名前は、古代住民リボニア人の言葉で「神の庭」を意味します。博物館は、1996年、ヨーロッパ・ミュージーアム・オブ・ザ・イヤーの一つに選ばれました。
トゥライダ城跡は南向かって半島状に突き出た断崖上にあります。
トゥライダ博物館保護区絵図

トゥライダ城鳥瞰絵図(現地説明板より)
日本語訳が難しいので、説明板にあった英語訳のまま紹介します。
A.The northern forecastle, B.The internal yard, C.The southern forecastle, 1.The gate tower of northern forecastle, 2.The forced passage wall, 3.The eastern defensive wall of the northern forecastle, 4-5.The location redoubt, 6.The northern defensive wall of the castle, 7.The main tower, 8.The foundations of the structure, 9.The north-eastern corner cellars, 10.The eastern defensive wall with counterforces, 11.The foundations of teh structure, 12.The foundations of the castle, 13.well,  14.The western defensive wall, 15.The western block, 16.The large semi-circular tower, 17.The southern defensive wall, 18.The tower-shaped southern block, 19.The outer defensive wall of the southern feorecastle, 20.The internal defensive wall of the southern forecastle

トゥライダ城鳥瞰絵図

【登城記】
夏至祭
ヨーロッパでは、夏至祭というのがありますが、訪れたのが23日で夏至祭で、バスを降りてビジネスセンター(チケット売り場)へ向かうと、花冠をかぶった女の子や女性達を見掛けました。ラトビアの夏至祭は、古くはバルト神話の太陽神サウレの祭でしたが、北欧の他の地域の夏至祭と同様にキリスト教が布教された影響で、現在では聖ヨハネ祭となっているそうです。ラトビアでは、リーゴまたはヤーニスの日と呼ばれ、6月23日(首都リガでは22日)に夏至祭りが行われ、女性は花の冠をつけるのだそうです。
01夏至祭1

02夏至祭2

トゥライダ・ルァザの墓
博物館保護区にはビジネスセンターで入場楼を払って入ります。ビジネスセンターからトゥライダ城跡までは500mほどあります。緑の自然の中をトゥライダ城跡へ向かうと、途中、トゥライダ教会の隣に菩提樹の木の下に眠る「トゥライダの薔薇」とよばれた美女・Maja(マイヤ)嬢の墓があります。「恋人への愛を貫くために、死を選んだ。」という言い伝えから、結婚式を終えたカップルが花束を添えに来る習慣があるそうです。
05ルアザの墓

トゥライダ教会
トゥライ ダ教会はラトビアで最も古い木造建築の教会のひとつで、1750年に建てられました。以来、そのまま使われているようで、ほぼ当時のまま残り、建築文化財に指定されているそうです。
07トゥライダ教会

トゥライダ教会内部
教会内部は簡素ですが温かみがあります。
トゥライダ教会内

【The northern forecastle(北出丸)】
トゥライダ城跡への入口
まもなくトゥライダ城に・・・。まず太くて高い塔(The gate tower of northern forecastle)が見え、その向こうには本丸の高い塔(The main tower)や居館(The large semi-circular tower)が見えます。城の入口は堀切で断ち切られていたのでしょう。道の両側が深くなっています。また、その右手前には石碑と説明板が設置されています。
城跡入口

The northern forecastle(北の丸)
日本の城でいうところの「北出丸」でしょうか、本丸から北の方へ突き出た部分です。左側(東側)には城壁が残っています。
15城壁

The northern forecastle(北の丸)東面の建物跡
上写真の城壁は建物跡のようで、その基礎部が本丸の”The main tower”まで延びています。尚、説明板には”The forced passage wall(右側)”&”The eastern defensive wall of the northern forecastle(左側)”となっています。
16城壁

西面の建物基礎部
”The forced passage wall”と道を挟んで反対(西)側には建物の礎石が残っています。
13北出丸入口遺構

【The internal yard(本丸)】
本丸入口
いよいよ本丸内へ入って行きます。
18本丸へ

本丸西側の建物群
本丸内へ入ると、右手(西側)に良好に残る(復元?)建物が見えます。右手前の高い建物は”The large semi-circular tower”で、見た目は方形の塔ですが、直訳すると「大きな半円形塔」となります。また、左奥の塔付近は”The tower-shaped southern block”で、直訳すると、塔の形をした区域でしょうか?
これら建物内部は博物館になっており、当城や付近の歴史を物語る資料を展示しています。
20居館

本丸南方面を
正面の塔付近は”The tower-shaped southern block”で、その向こう側は”The southern forecastle(南出丸)です。
23南出丸方面を

本丸南東から北東にかけての建物基礎跡
本丸の南東から北東にかけては、建物の基礎跡が残っています。1776年の火災では、木造部分から燃えはじめたそうですが、この辺りは木造の建物が建っていたのでしょうか。この廃墟然とした光景がいいですねえ。 
26基礎部分

北東隅
北東部も廃墟となっており、”
The north-eastern corner cellars”とありますが、食糧などの地下貯蔵室の跡でしょうか。
21北東コーナーと穴蔵

本丸
本丸は三角形で周囲を建物で囲まれていたようです。当写真は、本丸南東隅から撮ったもので正面に高さ38mの”The main tower”が・・・。また、本丸中央には小さな木の小屋で囲われた井戸跡があります。
24本丸1

The main tower&The large semi-circular towerをズームアップ
24本丸2

The main towerへ登る
結構、急な螺旋階段を登って塔の上へ行きます。塔内には、城に関する多くの写真や資料が展示されています。
31螺旋階段1 31螺旋階段2

狭間
勿論、各所に狭間も設けられています。これぞ、城塞ですね(*^_^*)。
狭間

天井
また、円錐形の天井が実にかっこいいです。左は途中階の天井で、右が最上階の天井です。
天井1 天井2

塔の最上階からの眺望
塔の上からは、真下に本丸を見下ろすことことができ、本丸が三角形なのがよく分かります。本丸の向こうには「ラトビアのスイス(スイスとはイメージが違うような気もしますが・・・?)」と称される豊かな緑と渓谷が広がる景色が素晴らしいです。そして、城の南下を流れるガウヤ川も見え、川の向こうにはスィグルダ城跡でしょうか、城っぽい城壁のようなものも見えますが、果たして・・・・・?

塔の上からの眺望

塔の最上階からトゥライダ博物館保護区を
塔の上から保護区を

本丸西側の建物内部一階
建物内部は博物館になっており、当城や付近の歴史を物語る資料を展示しています。
博物館内部1

本丸西側の建物内部二階
博物館内部2

The large semi-circular towerの地下
西側の建物の中央の塔”The large semi-circular tower”の地下は、牢獄だったようです。
牢獄1 牢獄2

The tower-shaped southern block内部
本丸の南側の塔”The tower-shaped southern block”の内部の壁は石灰で白く塗られていたそうです。そして、暖房システムがしっかり備えられていたようです。また、写真左下の覗き窓から地下室が見えます。
IMG_7446

The tower-shaped southern blockの地下
地下には動物の骨が散らばっていました。説明板を見忘れ、それがどういった部屋なのか分かりません(/。ヽ)。
IMG_7440

【The southern forecastle(南出丸)】
南出丸から”The tower-shaped southern block”を
本丸から見るとそれほど大きく見えなかった”The tower-shaped southern block”の塔ですが、塔の脇の門から南出丸へ出て眺めると、随分しっかりした建物でした。
南出丸2

南出丸の建物基礎
南出丸は、全てが廃墟となっていますが建物基礎がしっかり残っています。
南出丸

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