陸前 岩出山城(大崎市)

二の丸北側の断崖絶壁の天然の堀切を見下ろす

伊達政宗が青葉城へ移るまでの12年間居城した城、仙台藩21要害の一つ

別名

臥牛城、岩出山要害、岩出沢城

所在地

宮城県大崎市岩出山字城山、城山公園

形状

山城

現状・遺構等

現状:城山公園
遺構等:曲輪、土塁、空堀、堀切、石碑、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2007/08/13

歴史等

室町時代初期の応永年間、大崎氏の家臣・氏家弾正が築城した。
伊達政宗は、現在の宮城県全域、浜通りを除く福島県全域、山形県南部、岩手県南部4郡を勢力下に置いていたが、小田原の役参陣に遅れ、宮城県南部・山形県南部・福島県北部を残し、秀吉に没収されてしまった。さらには、その後の葛西・大崎一揆が勃発し、一揆方への内通を疑われ(実際に、政宗が関与していたようだ)、一揆平定後、国替えを命じられ、本拠としていた米沢の地も失った。
そして、天正19年(1591)豊臣秀吉の命を受けた徳川家康が伊達政宗のために榊原康政に縄張りさせ改築した。城郭は外堀をめぐらし、急峻な崖の上には土塁と内堀を備え、本丸・二の丸・三の丸も深い堀切で区画され、東西約800m、南北約700mの大規模なものであった。
政宗は入城後、それまで岩出沢城と呼ばれていたのを、岩出山城と改称し、城下町建設や農村復興に尽力した。政宗は、慶長8年(1603)、 青葉城 (仙台)に移るまでの12年間居城した。
その後、第4子宗泰に1万5千石を与え領主とした。
『「現地説明板」、「日本の名城・古城もの知り事典(主婦と生活社刊)」参照』

現況・登城記・感想等

城山公園としてかなり改変されてはいるものの、想定していたよりも、遺構等がよく残り、しかもよく整備された素晴らしい城址であった。
公園頂上(本丸跡)までは、急勾配の坂道を車で登って行くことができ、本丸跡に駐車することができる。
本丸の南東部には石垣が使われた内門跡がある。
本丸の南の方には丸い曲輪(像広場)があり、白いドデカイ伊達政宗像が建っている。 
本丸の西側下段(本丸との比高差10mくらい?)は腰曲輪様の二の丸跡で、ここは子供広場やさくら広場になっており、塁段になっている。この南にも虎口があり、その南には更に15~20mほど低い曲輪がある。
二の丸を北の方に向かって行くと、断崖絶壁の天然の堀切(深~い谷)があり、その上に橋が架かっている。この谷はすごい!! 足がすくんでしまいそうだ。そのぶん、眺望も素晴らしい。
橋を渡った所がダルマ広場であるが、ここで大失敗!! ダルマ広場がかなり藪化していたので、そこで戻ってしまったのだ。その奥(北側)に、多分この城址の最大の見どころである北の空堀があるのを忘れてしまっていたのだ(;>_<;)。
おまけに、もう一つの見どころと思われる大堀切への道は進入禁止になっていた。遊歩道として開放するには危険なのであろうか?
下城後、山麓の有備館の方から城址を見上げると、先程の深い谷(天然の堀切)がよく見え、改めてその強烈な印象を目に焼きつけた。
(2007/08/13登城して)

ギャラリー

岩出山城址の案内図(現地説明板より) ~クリックにて拡大画面に~
岩出山城縄張図

本丸跡
山頂部の本丸跡まで車で登って来ることができ、駐車もできます。
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内門跡
本丸の南東部には石垣が使われた内門跡がある。
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像広場に建つ政宗平和像
本丸跡を南の方へ向かって歩いて行くと、丸い曲輪跡(像広場)へ出る。この曲輪跡には白くてでっかい伊達政宗像が立っている。
この像は、もと仙台青葉城にあったもので、昭和39年9月仙台市から岩出山へ寄贈されたものである。戦後、空になった台座に小野田セメント会社が彫刻家柳原義達氏に託し製作し仙台市に寄贈されたもので、平服を着ているところから平和像と呼んでいる。
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二の丸跡(こども広場からさくら広場方面を)
本丸の西側下段(本丸との比高差10mくらい?)は二の丸跡で、ここは「子供広場」や「さくら広場」になっており、塁段になっている。
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二の丸からだるま広場への谷に架かる橋
断崖絶壁の天然の堀切(深~い谷)があり、その上に橋が架かっている。
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橋の上から天然の堀切(谷)を
この谷はすごい!! 足がすくんでしまいそうなくらいだ! 当然、眺望も素晴らしい。この谷と、その向こうの景色をセットにして何枚も写真を撮ってしまった。
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橋の上からの眺望
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だるま広場
橋を渡ったところが「ダルマ広場」であるが、ここで大失敗!!「ダルマ広場」の奥は少し藪化していたので、そこで戻ってしまったのだ。
実は、その奥(北側)に多分この城址の最大の見どころである「北の空堀」があるのを忘れてしまっていた。
DSC01230

有備館横の広場から見上げる
下城後、有備館の方から城址を見上げると、先ほど見下ろした天然の堀切の谷(写真正面)がよく見え、改めてその強烈な印象を目に焼きつけた。
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