信濃 埴原城(松本市)

本郭の石垣

小笠原氏大要塞群の中で諏訪伊那地方からの敵に備えた南方の前線基地

読み方

はいばらじょう

所在地

長野県松本市中山(蓮華寺の裏山のさらに奥の山)
蓮華寺:中山4524

形状

山城(標高1,004m、比高220m)

現状・遺構等

【現状】山林
【遺構等】曲輪、土塁、石垣、空堀、竪堀、堀切、井戸跡?、説明板

満足度

★★★★

訪城日

2007/12/09

歴史等

埴原城は埴原(村井)氏の拠るところであったが、信濃守護小笠原貞宗が府中(現松本)に移ってからは村井氏を輩下となして林城南方の敵に備える前線基地として急速に規模が拡大された。
天文17年(1548)の「塩尻峠の戦い」の後、天文19年(1550)7月15日武田晴信(信玄)が小笠原長時を攻略する際に真っ先に当城を陥れたため、林城はじめ諸城(深志城、岡田城、桐原城山家城)が相次いで自落したことでも戦略上重要な要害であったことが知られる。
埴原城は町村部落からお屋敷を経て登ること約千mで頂上の本郭に至る。
『現地説明板より』

現況・登城記・感想等

【兎にも角にも大変な登城であった】
今日は冬至の13日前で、日が暮れるのが非常に早い。時刻はとみると、15:15。登城するか否か迷ったが、行こうということで強行登城。
途中、やはり日が落ちるのが心配になり、家内を置いて一人で大急ぎというよりもほぼ駆け足で、落ち葉で埋った道を登った。落ち葉のせいで物凄く滑りやすく、また崖に沿った非常に狭い道も多く、結構危険を感じながらの大変な登城になった。
途中、虎口や堀切、竪堀、段郭を見ながら焦って登るが、思った以上に山は奥行きがあり、登れど登れど本郭に着かない。
そうこうする内に、石がゴロゴロ転がっている地域に入り、いよいよ本郭域に入ったかなと思っていると、井戸(湧き水)らしき石積みを見つけた。そこから岩の多い道を登るとすぐ虎口が見え、右(東)の方を見るとかなり良好に残る石垣が見えた。嬉しかった。
ただ、 この石垣の写真を撮るのには苦労した。場所が急な傾斜地で滑り落ちそうになる上、この頃には息が切れて、ハーハー。おまけに落ち葉でとにかくよく滑るので、ここまで杖を頼りに登ったため、右腕に力が入らず、腕が震えて本当に困った。
虎口を入ると、その削平地の東側のやや高くなった所に「全く字が消えた説明板」が設置され、周りには岩がいくつもあった。ここが本郭であろうか?取り敢えずホッとした。ここまで蓮華寺から約25分掛かった。
東側に、まだ高い所があったので、東側の土塁を登ると、その奥(東)下には削平地があり、両側(南北)は竪堀になり崖下へと落ちているようである。削平地の向こうに土塁があるが、そこが本郭だろうか?それにしては藪だらけであるし、時間も気になり、そこから引き返した。
下山は、さらに大急ぎであった。道を無視して、段曲輪跡であろう削平地の中を強引に歩き、また斜面を滑り降り(2度ほど滑り落ち)しながら下山した。曲輪跡に2箇所ほど井戸跡らしき円形の窪地があった。迷いそうになったが、何とか無事下山。16:10であった。ちょっと強引な登城であったなあ。こんなことはこれきりにしよう。
それにしても、埴原城は小笠原氏の城の中でも非常に大規模な城であった。せめて2時間ほど掛けてじっくり見て廻りたい素晴らしい城址であった。
(2007/12/09登城して)

ギャラリー

埴原城(蓮華寺)入口
松本市街の方から県道63号線を南下して来ると、蓮華寺入口の標識と共に、写真のような「埴原城入口」の碑と奥に説明板が。ここから蓮華寺へと向かい蓮華寺の駐車場を拝借して、蓮華寺の西側の道を裏の方へと登って行く。
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埴原城登城口
今日は冬至の13日前で、日が暮れるのが非常に早い。時刻はとみると、15:15。登城するか否か迷ったが強行登城をした。
DSC04203

登城道
途中、やはり日が落ちるのが心配になり、家内を置いて一人で大急ぎというよりもほぼ駆け足で、落ち葉で埋った道を登ったが、物凄く滑りやすく大変だった。DSC04204

最初に出会った虎口
この辺りからは明らかに城域に入ったのが分かる。このあとも、途中、虎口や堀切、竪堀、段郭を見ながら焦って登るが、思った以上に山深く、登れど登れど本郭に着かない。
DSC04206

堀切(喰い違い虎口?)を通る
この両側の上、特に左側はかなりの広さがあり、櫓が建っていたのではと思う。上から攻撃されたらひとたまりももないだろう。堀切というより、ここを右へと急カーブする喰い違い虎口ともいえるかも?
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崖に沿った側道を進む
上写真の堀切を通り、その後、4分ほど小走りで行くと、急崖に沿った側道に出る。一列でしか通れないので攻撃側は大変だ。
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次に出会う喰い違い虎口(城内側から撮影)
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水の手(主郭部南下)
そうこうする内に、石がゴロゴロ転がっている地域に入り、いよいよ本郭域に入ったかなと思っていると、井戸(湧き水)らしき石積みを見つけた。石組みの中からは湧き水が出ており、落ち葉に隠れながらも、周辺が水浸しになっていた。それにしても凄い落ち葉の量。恐るべし、落ち葉!!
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岩だらけの道
水の手から上は岩だらけの道を登って行く。
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DSC04217

本郭虎口
岩だらけの道を少し登って行くとこの本郭虎口が現れる。
DSC04218

本郭石垣
虎口手前から、右(東)の方を見るとかなり良好に残る石垣が見えた。
ただ、この石垣の写真を撮るのには苦労した。場所が急な傾斜地で滑り落ちそうになる上、この頃には息が切れて、ハーハー。おまけに落ち葉でとにかくよく滑るので、ここまで杖を頼りに登ったため
、右腕に力が入らず、腕が震えて本当に困った。
DSC04220

本郭?
虎口を入ると、その削平地の東側のやや高くなった所に「全く字が消えた説明板」が設置され、周りには岩がいくつもあった。ここが本郭であろうか?取り敢えずホッとした。ここまで蓮華寺から約25分掛かった。
DSC04221

主郭奥(東)の土塁
東側に、まだ高い所があったので、東側の土塁を登ると、その奥(東)下には削平地があり、両側(南北)は竪堀になり崖下へと落ちているようである。削平地の向こうに土塁があるが、そこが本郭だろうか?それにしては藪だらけであるし、時間も気になり、そこから引き返した。
説明板によると、「本郭と2の郭には東方の大小屋とともに・・・」とあるから、削平地奥の高い土塁上は、これでいう「東方の大小屋」と考える。従って、ここが本郭であると自らを納得させた。
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井戸跡?
気がつかず歩いて中を通ってしまったが、湿った柔らかい感触で気がついた。
下山は、さらに大急ぎであった。道を無視して、段曲輪跡であろう削平地の中を強引に歩き、また斜面を滑り降り(2度ほどは滑り落ち)ながら下山した。曲輪跡に2箇所ほど井戸跡らしき円形の窪地があった。
途中、迷いそうになったが、何とか無事下城。16:10であったが、すぐに暗くなってきた。ちょっと強引な登城であったなあ。こんなことはこれきりにしよう。
DSC04228

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コメント

お洒落なオヤジ(2007/12/11)

お陰様で風邪は80%治癒いたしました。後は移すだけです。ところでIさんのご母堂様の件大変でしたでしょうね。。
新年会を楽しみにしております。

                          お洒落なオヤジ

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