三河 亀山城(新城市作手)

本丸北の木戸口

山家三方衆の一つ奥平氏の居城

所在地

愛知県新城市作手清岳、「道の駅・つくで手作り村」の北東の裏山
「道の駅・つくで手作り村」:作手清岳字ナガラミ10-2 電話0536-37-2772

形状

平山城

現状・遺構等

現状:公園、山林
遺構等:土塁、曲輪、空堀、竪堀、碑、説明板

満足度

★★★☆☆

訪城日

2009/05/13

歴史等

亀山城は、山家三方衆(他二衆は田峯城の菅沼氏、 長篠城の菅沼氏) の一つである奥平氏の居城である。
新田氏が没落した天授年中(1375~80)に、八郎左衛門貞俊が上野国甘楽郡奥平より作手へ山崎三郎左衛門高元を頼って移ってきた。
貞俊は、はじめ川尻城を築いたが、その地が狭いので、応永30年(1423)に亀山城を築いて移った。
2代貞久を経て、3代貞勝は、大勢力の間に漂う小豪族の宿命で、松平・今川・織田・今川・松平、そして元亀2年(1571)には武田と、 めまぐるしく従属相手を替えている。
天正元年(1571)4月に武田信玄が死亡、7月に入ると、家康は奥三河の武田方の拠点長篠城を囲んだ。 長篠城主・ 菅沼正貞は武田勝頼に救援を求めたが、救援隊が入城できないまま長篠城は落城した。 そこで武田軍はやむなく亀山城に入った。
武田軍を迎え入れたものの、亀山城5代城主貞能は長篠城の菅沼正貞が結局は見殺しにされたのを見て、 武田を見限る決心をした。
8月20日、貞能・信昌父子は一族将士をひきいて亀山城を脱出し、徳川方に奔った。
やがて、長篠の合戦で信昌は長篠城の将として入城した。 合戦後、信昌は再び亀山城を与えられたが、その後、信昌は新城城主となり、 更に家康の関東移封に伴い、信昌も関東移封となり一時廃城となった。
しかし、信昌の四男松平忠明(後に大坂城姫路城の城代となる) が慶長7年(1602)に1万7千石で入城したが、在城わずか8年で伊勢亀山城へ移封となり、 今度こそ廃城となった。
『「歴史と旅・日本城郭総覧(秋田書店刊)」、「現地説明板」参照』

現況・登城記・感想等

緒川古城探索で手間どり、「道の駅・つくで手作り村」に到着が夕方5:15頃になってしまった。
亀山城址は綺麗に整備され、案内板も設置され分かりやすい、また、本丸跡を中心に土塁、空堀、腰曲輪等々の遺構も実に良好に保存され、 完存に近い。
そして、それらの遺構はそれほど大規模なものではないものの見応えも充分で、しばらく見ていたいと思ったが、少し薄暗くなってきたし、 古宮城へも登城したかったので後ろ髪をひかれながらも(後ろ髪はまだある)、城址をあとにした。
この辺りは、武田と徳川の攻防線上にあっただけに、山城がいっぱい築かれている。
「道の駅・つくで手作り村」に、「歴史の小径 道中案内図・10km3時間コース」の案内板が設置されていたが、 本当に気持ちよく散策ができそうである。今冬には、再度必ず来よう!!
(2009/05/13登城して)

ギャラリー

縄張略図(現地本丸跡説明板より)

亀山城址全景
「道の駅・つくで手作り村」駐車場から見上げたもので、「亀山城跡」の大きな看板が見える。

登城口
「道の駅・つくで手作り村」の方から登って行くこともできるようだが、時間がなかったので、車で、 城の東側の駐車場まで行き登城した。

東曲輪
主郭部だけでなく、多くの腰曲輪等にも土塁がめぐっている。この土塁が重なる光景が何ともかっこいい。

本丸東南下の空堀
空堀はかなり埋まってしまってはいるが、右上の土塁と相俟って往時の面影を偲ばせてくれる。

二の丸への虎口と土塁

二の丸
西側(写真左)は堀底道のようになっている。

本丸北の虎口(木戸口)

本丸
本丸は周囲を土塁がめぐっている。西側はかなり急崖になっており、 先ほど道の駅駐車場から見えた大きな看板が設置されている。中央やや西側には説明板と石碑が設置されている。

本丸東側の土塁
本丸東側の土塁は特に良好に残っている。この姿が何ともいえない。
 

本丸南虎口(木戸口)を内側から
本丸南虎口の内側には窪みがあるが、内枡形の名残だろうか?

本丸南虎口(木戸口)を外側から
本丸南虎口手前は、今はほとんど埋まってしまっているが、空堀になっていたらしく、標柱に「土橋跡」 とあった。

西曲輪南西下の腰曲輪
南西方面にも何段もの腰曲輪があったようだ。

本丸北西下の腰曲輪と空堀

本丸南東の空堀

「歴史の小径 道中案内図」   ~クリックにて拡大画面に~
「道の駅・つくで手作り村」に、「歴史の小径 道中案内図・10km3時間コース」 の案内板が設置されていたが、本当に気持ちよく散策ができそうである。これだけでも、亀山城、古宮城の他に、寒之神城、文殊山城、川尻城、 石橋城が廻れる。

トップページへ このページの先頭へ

コメント

この記事へのコメント

名前

メールアドレス

URL

コメント