本丸跡に祀られた祠と本丸土塁
北条早雲が伊豆制圧のために狩野城を攻める足がかりとして築いた城
所在地
静岡県伊豆市修善寺町柏久保字城山、修善寺体育館の裏山（愛宕山）
修善寺体育館：柏久保１０１０、ＴＥＬ０５５８－７２－５９３５
グラウンドの東側に登城道があり、１０分ほどで頂上部にある二の曲輪へと出る。
形状
山城（標高１８０ｍ）
現状・遺構
現状：山林
遺構等：曲輪、土塁、空堀、虎口、石碑、説明板
満足度
★★☆☆☆
訪城日
２００８／０３／０１
歴史等
明応２年（１４９３）興国寺城の城主であった伊新九郎長氏（北条早雲）は、堀越御所に足利茶々丸を攻め滅ぼし、伊豆制圧を果たすため、狩野城に拠る狩野一族を攻める足がかりとして柏久保城を築いたと言われている。
明応６年（１４９７）４月、狩野氏との間に激しい戦いを展開し、大見三人衆の働きにより勝利を収めることができた。
今でも、北側には新九郎谷の碑と、南側には地獄沢の地名が残っており激戦を物語っている。
『現地説明板より』
現況・登城記・感想等
柏久保の町の高台にある修善寺体育館のグラウンドの東側に登城道があり、１０分ほどで頂上部にある二の曲輪へと出ます。
二の曲輪は細長く、西側と南側に土塁が巡っています。北東側は急崖の新九郎谷です。
二の曲輪の奥（北側）が本曲輪で、祠が建てられています。本曲輪にも西側と南側に土塁が残り、その北西部に「北条早雲城山砦趾」と彫られた石碑が建っています。本丸西側下には腰曲輪がありますが、三の曲輪にあたるのでしょうか？
本丸の北東側を廻って、本丸北側下へと出ると、説明板が設置されています。ここから北方面は、眼下に修善寺の町並みと狩野川を見下ろし、その向こうに富士山を望む景勝の地です。
ここから、虎口（堀切）を通って、本丸西側下の腰曲輪へ入って行くことが出来ます。また、北西には天然の堀切の地形になっており、土橋を通り城下へ降りて行く道があります。
規模は小さいものの良好に遺構が残り、なかなか見応えがある城址です。それに加えて、素晴らしい眺望ですっかり満足しました。
（2008/03/01登城して）
ギャラリー
柏久保城跡全景
修善寺体育館のグラウンドの裏山（愛宕山）が柏久保城跡です。 
二の曲輪
修善寺体育館のグラウンドの東側に登城道があり、１０分ほどで頂上部にある二の曲輪へと出ます。二の曲輪は細長く、西側と南側には土塁が巡り、北東側は新九郎谷の急崖になっています。 
二ノ曲輪西側の土塁 
新九郎谷
二の曲輪の北東部には新九郎谷があり、往時の激戦を物語っている。 
二の曲輪から本曲輪方面を
本曲輪は二の曲輪よりも一段高くなっています。土塁の左側が本曲輪で、右側は新九郎谷で急崖になっています。 
本曲輪
本曲輪跡には祠が鎮座し、その北西部に「北条早雲城山砦趾」と彫られた石碑が立てられています。 
また、西側と南側には土塁が設けられています。 
本曲輪北側下からの眺望
正面に富士山を望し、眼下には修善寺の町並みと狩野川を見下ろす景勝の地です。 
本曲輪下腰曲輪への虎口（堀切） 
本曲輪下の腰曲輪（手前は虎口・堀切） 
本曲輪北西下から本丸とその下に虎口（空堀）を 
本曲輪北西部の天然の堀切と土橋
多少は手が加えられているでしょうが、天然の谷が大きく食い込んで自然の堀切、土橋を造っています。 
