正義の塔の上から見下ろすハレム
オスマン帝国を代表する豪華な宮殿
トルコ語名
Topkapi Sarayi
所在地
トルコ共和国シスタンブール県イスタンブール市(Istanbul)
歴史等
オスマン帝国の最初の宮殿は、現在イスタンブール大学のあるベヤズィット地区に建てられたが、今は痕跡さえも残っていない。
1467年、トプカプ宮殿が完成すると、時のスルタン・メフメット2世は直ちに住まいを移したが、ハレムの女性達は、16世紀末にトプカプ宮殿にハレムが増築されるまで、そのまま旧宮殿で生活をしていた。
1839年にスルタン・アブドゥルメジット1世がボスポラス海峡沿いにドルマバフチェ宮殿を建てて移動するまで、トプカプ宮殿は公式宮殿として、スルタンの日常生活の場として機能し続けた。
『現地購買誌、トプカプ宮殿:トゥルハン・ジャン著(Touristic Publication Service LTD刊)より』
現況・登城記・感想等
トプカプ宮殿は、マルマラ海、ボスポラス海峡、金角湾に3方を囲まれた小高い丘の端の上にあり、アヤソフィア、ブルーモスクと並んでいる。かつて、ここに大砲が設置されていたことから、トプ(大砲)、カプ(門)、サライ(宮殿)と呼ばれるようになったという話があるそうだ。
宮殿には、皇帝の門」「表敬の門」「枢密院議場」「ハレム」「宝物殿」の建築物等々、見所は数多い。中でも、「ハレム」の各部屋の装飾、特にタイルの素晴らしさは目を見張るばかりだ。
また、「陶磁器コレクション」「武具」「宝物」等々もすごい。「宝物」に到っては、「スプーン屋のダイヤモンド」「トプカプの短剣」等々、考えられないほどすごい物を見ることが出来る。おそらく、じっくり見ていたら1日かかっても見きれないだろう。
しかし、どうも私は好みが建築系ではなく土木系らしく、立派な建築物が建っていることにより、城壁の素晴らしさが隠れてしまうのが残念な気がする!?
「バーダッド・キョシュキュ」のテラスや「第4庭園」から眺める金角湾やマルマラ海の眺望は絶景だった。
いずれにしても、すごいものが残っていることには感嘆したし、オスマン帝国の強大な権力を垣間見た。スゴイ!!
尚、ボスポラス海峡クルーズで、船上から眺めるトプカプ宮殿、アヤソフィア、ブルーモスクが立ち並ぶ光景もなかなかのものだ。
(2008/03/19訪れて)
ギャラリー
皇帝の門(バーブフマユーン)
アヤソフィアの後方にある門で、この門内からが宮殿の敷地になる。メフメット2世の代の1478年に建てられ、マフムット2世とアブドゥルアズィスの時代に再建されたものである。
皇帝の門から続く城壁
この皇帝の門から続く城壁は見事なものだが、他にあまりにも見所が多すぎて霞んでしまうのが、何となく寂しい感じがする!?
アヤイリニ教会
皇帝の門を潜ると、最初に左側にこの立派な建物(教会)が見える。世界のキリスト教徒の聖所の中で最古の建物の一つで、現在は博物館として美術展覧会や音楽会等に使われるそうだ。
表敬の門(バービュスセラーム)
第1内庭から第2内庭への門で、1542年にメフメット2世の時代の物だそうだ。宰相、政府高官、外国大使はこの門までは馬上による入場が許されていたが、これ以降は降りなければならなかった。
正義の塔・議場と武具展示室(本来の宝物殿)
議場には毎火曜日に国政会議に召集されたそうで、議会開催中、周辺は「正義の塔」から常に厳重に監視されていた。右隣の武具展示室は宮殿でも最古の建物の一つに挙げられる。数世紀にわたり帝国の膨大な宝物殿として機能してきた。
武具展示室(本来の宝物殿)の武具や鎧等
1928年から武具コレクションが、この建物で行われるようになった。1891年に日本から贈られた鎧兜や日本刀も飾られている。
ハレム
ジュム・レカプス
今回のユアーではハレムへも入ることができた。 ジュムレ・カプス(ハレムの主要門)から入場です。
ハレム内部
ハレムの中で、見学せきる場所は一部に限られているが、その部屋もタイル装飾の壁や屋根、そしてステンドグラスの窓が素晴らしい。
ハレムの部屋を飾るタイルの壁
ハレムの部屋のタイルの天井
ハレムの部屋のステンドグラス
寵姫達の内庭とハレムの女性達の部屋
正義の塔の上からの眺望
今回のツアーでは、通常は上る事ができない正義の塔へ特別に上る事ができた。ここからは、真下にハレムの建物が見え、その向こうには金角湾やウシュクダラの街並みが見える。また、違う方向にはアヤソフィアがよく見え、眺望は最高だった。
正義の塔の上から眺めるアヤソフィア
厨房
300年以上もの間、ここでは1000人前後の料理人が仕事につき、3万羽分の鶏肉、2万3千頭の羊、1万4千頭の子牛、膨大な量の果実が1年間で消費されたそうだ。このかつての厨房は、中国や日本などの陶磁器の展示室となっている。
幸福の門(バービュスサーデット)
第2内庭から第3内庭への門で、メフメット2世(15世紀)の時代に遡る造りで、18世紀のロココ調で装飾されている。
「第4庭園」から眺めるマルマラ海の眺望
この眺望は素晴らしく、真下には城壁も残っているのが嬉しかった。ただ、ちょっと天候が怪しくなってきたので、写真がもう一つなのが残念!!
アヤソフィアとブルーモスク(皇帝の門の前から)
トプカプ宮殿はアヤソフィア、ブルーモスクと一直線に並んで建っている。右手前がアヤソフィア、左一番奥がブルーモスク。
【ボスポラス海峡クルーズにて】
ボスポラス海峡クルーズで、船上から眺めるトプカプ宮殿、アヤソフィア、ブルーモスクが立ち並ぶ光景は素晴らしい。また、海峡沿いには他にも多くの歴史的建築物も多く、このクルーズは是非お薦めだ。
港からブルーモスクを望む
船に乗って港を振り返ると、真上にブルーモスクの姿が見える。まさに、「これぞイスタンブール」といった光景です。
金角湾からトプカプ宮殿、ブルーモスク等を
金角湾から眺めるトプカプ宮殿